軽蔑 (映画)
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軽蔑 | |
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Le Mépris | |
![]() ロケ地・カプリ島
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監督 | ジャン=リュック・ゴダール |
製作総指揮 | ジョルジュ・ド・ボールガール カルロ・ポンティ ジョゼフ・E・レヴィーン |
製作 | ローマ・パリ・フィルム レ・フィルム・コンコルディア コンパニア・チネマトグラフィカ・カンピオン |
脚本 | ジャン=リュック・ゴダール 原作 アルベルト・モラヴィア |
出演者 | ブリジット・バルドー ミシェル・ピコリ ジャック・パランス ジョルジア・モル フリッツ・ラング |
音楽 | ジョルジュ・ドルリュー ピエロ・ピッチオーニ イタリア・スペイン版 |
撮影監督 | ラウール・クタール |
編集 | アニエス・ギュモ |
配給 | ![]() ![]() |
公開 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
上映時間 | 102分 |
製作国 | ![]() ![]() |
言語 | ![]() ![]() ![]() ![]() |
製作費 | 90万米ドル |
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キネマ旬報 | |
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IMDb | |
『軽蔑』(けいべつ、Le Mépris)は、1963年製作・公開、ジャン=リュック・ゴダール監督によるフランス・イタリア合作の長篇劇映画である。
目次 |
概要
ゴダールの長篇劇映画第6作である。アルベルト・モラヴィアの同名小説を原作に、当時、2年前に結婚したばかりの妻アンナ・カリーナとの愛の問題に苦悩したゴダールが、自己を投影し、愛の不可能性を描いた[1]。当時の日本同様、斜陽化著しいヨーロッパの映画産業での映画づくりを描き、ハリウッド一辺倒の世界への不安も描かれている[1]。ドイツのサイレント映画の巨匠で、戦後アメリカのB級映画作家となったフリッツ・ラングが本人役で出演し、愛の問題にも映画産業の問題にも的確な言説を吐いている[1]。
本作は1963年4月から5月に、イタリア南部・カンパニア州ナポリ県にあるカプリ島、およびラツィオ州にあるローマ市内のイタリア国立撮影所チネチッタでロケーション撮影が行われた。
アメリカ人プロデューサーとの撮影が頓挫するフリッツ・ラングは、劇中で映画『オデュッセイア』を撮ろうとしているが、現実世界のラングは、1960年の『怪人マブゼ博士』以降の監督作はなく、同作が遺作になっている。ゴダールがラングの助監督として本作に登場している。
本作は、フランスより先にイタリアで公開されたが、イタリア版では、ジョルジュ・ドルリューの音楽が、ピエロ・ピッチオーニの軽快なジャズに差し替えられて公開された。
スタッフ
- 監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール
- 撮影監督:ラウール・クタール
- 原作:アルベルト・モラヴィア
- 録音:ウィリアム・ロバート・シヴェル
- 編集:アニエス・ギュモ
- スクリプター:シュザンヌ・シフマン
- 音楽:ジョルジュ・ドルリュー / ピエロ・ピッチオーニ (イタリア・スペイン版)
- 助監督:シャルル・L・ビッチ
- 製作主任:フィリップ・デュサール、カルロ・ラストリカッティ
- パブリシスト:アニー・ショヴェ、ベルトラン・タヴェルニエ
- プロデューサー:ジョルジュ・ド・ボールガール、カルロ・ポンティ、ジョゼフ・E・レヴィーン
- 製作:ローマ・パリ・フィルム、レ・フィルム・コンコルディア、コンパニア・チネマトグラフィカ・カンピオン
キャスト
- ブリジット・バルドー (女優カミーユ・ジャヴァル役)
- ミシェル・ピコリ (脚本家ポール・ジャヴァル役)
- ジャック・パランス (映画プロデューサー、ジェレミー・プロコシュ役)
- ジョルジア・モル (フランチェスカ・ヴァニーニ役)
- フリッツ・ラング (映画監督、本人役)
- ノンクレジット アルファベット順
- ラウール・クタール (撮影監督役)
- ジャン=リュック・ゴダール (ラング氏の助監督役)
- リンダ・ベラス (シレン役)
ストーリー
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。

女優カミーユ・ジャヴァル(ブリジット・バルドー)と脚本家のポール・ジャヴァル(ミシェル・ピッコリ)は夫婦である。夜、ふたりのアパルトマンのベッドルームでの会話は無意味、でもそれは夫婦らしいものであった。
翌朝、ポールはアメリカから来た映画プロデューサー、ジェレミー・プロコシュ(ジャック・パランス)と会った。ジェレミーはフリッツ・ラング(本人)が現在撮影中の映画『オデュッセイア』があまりにも難解であるとし、この脚本のリライトをポールに発注してきた。昼になって、カミーユが現れ、夫妻はジェレミーに自宅に誘われた。自宅でジェレミーは、カミーユをカプリ島でのロケーション撮影に来ないかと言う。それは夫が決めること、とカミーユは答えた。
アパルトマンに帰った後のポールとカミーユは、なぜかしっくりこない。夜、ふたりは別々の部屋で寝ることになる。ジェレミーから再び、カミーユへのロケのオファーの電話があった。ポールはポールで、本人次第だと答えてしまう。電話の後で激したカミーユは、ポールを軽蔑すると言い放つ。ジェレミーの誘いで映画館に行った後、カミーユはオファーを承諾した。
カプリ島。ここにはジェレミーの別荘がある。撮影現場でラング監督とはやはりうまくいかないジェレミーは、カミーユに、別荘へ戻ろうと言う。カミーユはポールを一瞥するが、ポールは、カミーユがジェレミーと別荘に帰ることを軽く承諾した。ポールは、それよりも、ラング監督との映画『オデュッセイア』の問題について議論をつづけたいのだ。
遅れて別荘に着いたポールは、カミーユに、あの日ポールに言い放った「軽蔑」ということばの真意を問いただす。答えはなかった。
翌朝、ポールに手紙が届く。そのカミーユからの手紙には、ジェレミーとローマへ発つと書かれていた。おなじころ、ハイウェイで派手な衝突事故が起きていた。大型車にぶつかり大破したスポーツカーには、血まみれの男女の死体があった。ジェレミーとカミーユの変わり果てた姿であった。
関連書籍
- アルベルト・モラヴィア『軽蔑』、大久保昭男訳、至誠堂、1964年 / 至誠堂新書、1965年
- 池澤夏樹個人編集 世界文学全集 2-3『マイトレイ/軽蔑』所収、河出書房新社、2009年5月8日 ISBN 4309709559
註
外部リンク
- Le mépris - インターネット・ムービー・データベース(英語)
- Le Mépris - BiFi (仏語)
「軽蔑 (映画)」の例文・使い方・用例・文例
- 彼女に対する尊敬の気持ちが軽蔑に取って代わられた
- その男は精霊信仰に対する軽蔑の色を隠さなかった。
- その男はだらしがないので私は軽蔑する。
- 彼女は社会経済的地位の無い大衆を軽蔑していた。
- 私たちは平等である、だから、私たちは同性愛の男性たちを軽蔑しない。
- 自分をけなせば、他人はあなたを軽蔑するようになる。
- この話を聞くとあなたは私を軽蔑するかもしれない。
- 貧乏だからといって他人を軽蔑するな。
- 貧乏だからというだけで彼らを軽蔑してはいけない。
- 貧乏だからだといって人を軽蔑しては行けない。
- 貧しい人々を軽蔑するな。
- 貧しい人を軽蔑するな。
- 貧しい人を軽蔑してはならない。
- 貧しい身なりをしているからといって人を軽蔑するな。
- 貧しいというだけで人を軽蔑してはいけない。
- 貧しいことを理由に人を軽蔑してはいけない。
- 貧しいからといって人を軽蔑してはならない。
- 貧しいからといって、人を軽蔑すべきではないよ。
- 貧しいからといって、人を軽蔑してはいけない。
- 貧しいからというだけで人を軽蔑するべきではない。
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