彼女について私が知っている二、三の事柄とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 芸術・創作物 > 映画 > 映画作品 > 彼女について私が知っている二、三の事柄の意味・解説 

彼女について私が知っている二、三の事柄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/19 01:48 UTC 版)

彼女について私が知っている
二、三の事柄
Deux ou trois choses que je sais d'elle
監督 ジャン=リュック・ゴダール
脚本 ジャン=リュック・ゴダール
原案 カトリーヌ・ヴィムネ
製作総指揮 アナトール・ドーマン
ラウール・レヴィ
出演者 ジョゼフ・ジェラール
マリナ・ヴラディ
音楽 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
撮影 ラウール・クタール
編集 フランソワーズ・コラン
シャンタル・ドラットル
製作会社 アヌーシュカ・フィルム
アルゴス・フィルム
パルク・フィルム
配給 UGC
フランス映画社 / 創造社
公開 1967年3月17日
1970年10月3日
上映時間 90分
製作国 フランス
イタリア
言語 フランス語
テンプレートを表示

彼女について私が知っている二、三の事柄』(かのじょについてわたしがしっているにさんのことがら、仏語 Deux ou trois choses que je sais d'elle)は、1966年(昭和41年)製作、ジャン=リュック・ゴダール監督によるフランスイタリア合作の長篇劇映画である。

概要

本作は、週刊誌『ル・ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール』に掲載されたカトリーヌ・ヴィムネによるアンケート記事に想を得て、ゴダールが脚本を執筆し製作された[1]HLM(低賃貸住宅)で起きている主婦売春の話である。1966年8月8日にクランクイン、同年9月8日クランクアップした。イーストマンカラー、テクニスコープ作品[2]

アメリカ人ジョン・ヴォーガス役で出演しているラウール・レヴィは本作のプロデューサーで、撮影後の同年12月31日、フランス・サントロペのホテルで拳銃自殺しており、本作が遺作となった。製作主任としてのちの映画監督のクロード・ミレールが参加しており、のちに助監督から脚本家、映画監督になるジャン=パトリック・ルベルと共に、それぞれ「ブヴァール」役と「ペキュシェ」役で出演しているが、この役名はギュスターヴ・フローベールの未完の遺作『ブヴァールとペキュシェ』からの引用である。

ほとんどの俳優・女優が、本作以前に映画出演作がなく、本作がデビュー作となっている。主演のマリナ・ヴラディの息子役・娘役は、俳優のアントワーヌ・ブルセイエの息子クリストフ・ブルセイエ、娘マリー・ブルセイエ(現在のマリー・サラ)である。

日本では、1970年(昭和45年)10月3日柴田駿フランス映画社大島渚創造社が共同で主催した「ゴダール・マニフェスト」の一環として、劇場公開された。1971年(昭和46年)11月20日にスタートした「日活ロマンポルノ」の第1作、西村昭五郎監督の『団地妻 昼下りの情事』に深い影響を与えた。日本での本作のDVDは、1998年と2003年にハピネット・ピクチャーズ、2008年にはデジタルリマスター版がギャガ・コミュニケーションズから発売されている。

ストーリー

1966年8月、パリ郊外では、新首都圏拡張整備計画に従い公団住宅(HLM - 標準賃貸住宅)の建設が進んでいる。ジュリエット・ジャンソン(マリナ・ヴラディ)は、そんな公団住宅に夫のロベール(ロジェ・モンソレ)、息子のクリストフ(クリストフ・ブルセイエ)と娘のソランジュ(マリー・ブルセイエ)とともに住んでいる。子どもたちはまだ幼く、ガソリンスタンドに勤める夫はアマチュア無線家で、友人のロジェ(ジャン・ナルボニ)と朝から交信している。

ジュリエットは夫のいない昼間、売春をしている。ジェラール氏の売春宿に子どもを預け、買い物やカフェでの客の物色をする。その日も、若い男をホテルに連れ込み、仕事をし、その後でワンピースを買って、美容院へ向かった。美容院に勤めるマリアンヌ(アニー・デュプレー)に誘われ、アメリカ人(ラウール・レヴィ)の滞在するホテルへと遊びに行く。アメリカ人たちは、彼女たちに大金を振舞うのだ。

夫ロベールは、用事が終わるまで妻をカフェで待っている。近くの席では、女子学生(ブランディーヌ・ジャンソン)と作家(ジャン=ピエール・ラヴェルヌ)が論争している。やがて妻ジュリエットが現れ、夫婦そろって家に帰る。ベッドでのふたりは、口論を繰り返し、それぞれ読書をするのだった。

スタッフ

キャスト

  • ジョゼフ・ジェラール (ジェラール氏役)
  • マリナ・ヴラディ (ジュリエット・ジャンソン役)
  • アニー・デュプレー (マリアンヌ役)
  • ロジェ・モンソレ (ロベール・ジャンソン役)
  • ラウール・レヴィ (アメリカ人ジョン・ヴォーガス役)
  • ジャン・ナルボニ (ロジェ役)
以下アルファベット順
  • イヴ・ブネトン (若い男役)
  • ジュリエット・ベルト (ロベールに話しかける女役)
  • エレナ・ビエリシック (浴室にいる女役)
  • クリストフ・ブルセイエ (クリストフ・ジャンソン役)
  • マリー・ブルセイエ (ソランジュ・ジャンソン役)
  • マリー・カルディナル
  • ロベール・シュヴァシュー (計測人役)
  • ジャン=リュック・ゴダール (ナレーション)
  • ブランディーヌ・ジャンソン (女子学生役)
  • バンジャマン・ジュール=ロゼット (地下の男役)
  • ジャン=ピエール・ラヴェルヌ (作家役)
  • ジャン=パトリック・ルベル (ペキュシェ役)
  • アンナ・マンガ (地下の男役)
  • クロード・ミレール (ブヴァール役)
  • エレーヌ・スコット (ピンボールに興じる女役)

評価

レビュー・アグリゲーターRotten Tomatoesでは32件のレビューで支持率は94%、平均点は8.10/10となった[3]

関連事項

  1. ^ キネマ旬報DBサイト内の「彼女について私が知っている二三の事柄」の記述を参照。
  2. ^ Roberto Chiesi, Jean-Luc Godard, Roma : Gremese, ISBN 888440259X, p.104.
  3. ^ Two or Three Things I Know About Her”. Rotten Tomatoes. Fandango Media. 2022年9月19日閲覧。

外部リンク





固有名詞の分類

映画作品 大坂城物語  泉へのみち  彼女について私が知っている二三の事柄  四枚の羽根  ヒトラー

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「彼女について私が知っている二、三の事柄」の関連用語

彼女について私が知っている二、三の事柄のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



彼女について私が知っている二、三の事柄のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの彼女について私が知っている二、三の事柄 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS