身体的特色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 18:43 UTC 版)
ポリネシア人はいわゆるモンゴロイドに分類されてきたが、モンゴロイドの中では例外的なまでに大型の体格と、彫りの深い顔立ちから、コーカソイドではないかと考える白人も多かった。現在では遺伝子の研究からオーストラロイドとの混合人種であることが判明している。それぞれの島の間に広大な海域を挟んではいるが、どのポリネシア人の身体的特徴もほぼ同一である。 ニュージーランドの先住民マオリもポリネシア人の一派であり、ラグビー・フットボールのアオテアロア(ニュージーランド)代表チーム「オールブラックス」が試合前に披露するハカは、ポリネシア系言語のマオリ語である。 ガリヴァー旅行記の大人国の人々のモデルと言われる(特にトンガの人についてそのように言われる)。 ポリネシア人は体重に対する筋量と骨量の比率が他のあらゆる人種を大きく上回る。こうしたことから、『地球最強の民』(最も強い身体を持つ人々)などと称されることがある。肥満人口が多い。世界保健機関の調査は、住民の肥満率において、世界上位10カ国のうちの4カ国をポリネシア系諸国が占めるとの結果を報告している。具体的には、クック諸島が世界第3位、トンガが世界第4位、ニウエが世界第5位、サモアが世界第6位という結果であり、第8位のクウェートと第9位のアメリカ合衆国を除けば、全てがポリネシア及びその周辺の島国で占められた。 多くのポリネシア系移民人口を有するオーストラリアやニュージーランドでは、肉体を酷使するスポーツにおけるポリネシア人の活躍が目覚しい。世界最高のラグビーチームと名高いニュージーランドの代表チームにあっては、いわゆる上位陣のほとんどがサモア系/トンガ系およびマオリ系の人材で占められている。 カリフォルニア州を中心に少数のポリネシア系移民を擁するアメリカ合衆国にあっても、そのごく少数の人口にしては異常なほどに多くのアメリカンフットボールのトップ級の選手を輩出している。GQ誌が1999年に行った調査は、アメリカンサモアの少年がNFLにプロとして入場できる確率が、アメリカ合衆国本土の少年のそれの40倍にのぼっているとの見積もりを示している。 オーストラリアにおいては、一般的にポリネシア系の児童と白人系の児童とで身長を含む体格が大人と子供ほど違うため、少年ラグビーのリーグにおいて、ポリネシア系児童を専門とした重量級部門の設置という議論がしばしば起こっている。 他のスポーツと比べてもとりわけ肉体を酷使するプロレスにあっても、サモア・ジョー、ワイルド・サモアンズ、キング・ハク、ジミー・スヌーカ、ジャマール、ロージー、ザ・ロックなど、ポリネシア人の血を引く選手が数多く活躍を見せている。「究極の重量級スポーツ」と称される日本の相撲にあっても、その最高級の選手に相当する横綱にまで昇った曙太郎(母方がポリネシア人)や武蔵丸光洋、外国出身者初の入幕を成した高見山大五郎をはじめ、六代目小錦八十吉や南海龍太郎など優れた力士らを多く輩出してきた。
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