身体的能力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 19:54 UTC 版)
クォーターバックはパスを投げることが中心的な役割であるので、肩の強さ、パスの正確性が身体的能力として求められる。パスラッシャーが迫る中、フリーのレシーバーを正確に素早く認識することが求められるので、視野の広さ、空間認識能力も必須である。ディフェンダーのパスラッシュから身をかわすためのステップワークも重要であり、いずれもスーパーボウルを複数回制したジョー・モンタナやトム・ブレイディは、ステップワークにも定評がある。 また、足の速さは必須能力ではないが、クォーターバックの重要な武器となる。近年、ディフェンス選手のスピード化が進み、迫ってくるディフェンス選手から逃れるための機動力が必要であるのみならず、クォーターバックが自らボールを持って走る戦術を採用するチームやヘッドコーチが増加してきており、クォーターバックの機動力の重要性が増す傾向にある。このように自らが積極的にランプレーを行うクォーターバックは一般的に、「モバイルクォーターバック(mobile quarterback)」や「スクランブラー(scrambler)」と呼ばれている。しかし一方で、クォーターバックはチームの命運を左右する重要なポジションであり、怪我によりクォーターバックが離脱するとチームに与える影響が多大なものとなる。そのため、クォーターバックの機動力を活かす戦術に慎重なヘッドコーチも多い。 スーパーボウルに複数回出場したジョン・エルウェイやスティーブ・ヤングが機動力のあるクォーターバックの代表的な選手として挙げられる。2000年以降では、ラッセル・ウィルソン、コリン・キャパニック、ロバート・グリフィン3世、キャム・ニュートンなどが機動力のあるクォーターバックとして知られているが、多くは活躍後に短期間でチームから離れており、機動力を武器としたクォーターバックは短命に終わる傾向がある。 なお、機動力を武器にするクォーターバックをモバイルクォーターバックやスクランブラーと呼ぶのに対して、機動力を武器としないクォーターバックは攻撃ラインが形成するポケットに留まってパスを投げることから、「ポケットパサー(pocket passer)」と呼ばれる。
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