販売終了した国産電子オルガン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 17:00 UTC 版)
「電子オルガン」の記事における「販売終了した国産電子オルガン」の解説
ベネディクト(日本オルガン)- デジタル音源の素晴らしさは電子オルガンに多大なる恩恵を与えたが、音質が随分と良質になってきた現代の電子オルガンにとって、本物のパイプ・オルガンこそにある各ストップの個性的で表情豊かな味わいや、調律・整音の不正確さから発生する質感などが非常に薄れたことは、業界全体において旧来から指摘されてきたことである。それに対応すべく、打鍵に対する発音のタイミングや調律をストップごとに不正確に設定できる機能が現代の電子オルガンにおいては一般的なものとなっている。このベネディクトオルガンでは、それよりももっと異なったアプローチによって、アナログな味わいを生み出す新しい効果を実現している珍しい存在であった。「高級オーディオ」相当のアンプとスピーカーにより、非常に高い臨場感他の音質を作り上げていた。音色はバロックオルガンとロマンオルガンの独立した2基の音源を搭載、充分な価値の高さを有していた。例えば、低いゲダクト(木製閉管)においては、そこから生まれる低い風の音や高音の雑音には他製品で聴かれないリアリティがあり、また古めかしいリード管は憂いを含んだ響きがあり、バロック音楽におけるソロ使用では従来の電子オルガンには求められなかった深い雰囲気づくりに成功していた。足鍵盤における低音では、低くなればなるほど基音がよく認識され得ないような微妙な現象も、本物のパイプ・オルガンどおりに再現されていた。現代の電子オルガンに標準装備されているような付加機能は最初から付いていないが、木製手鍵盤が標準であり、楽器として必要な要素から優先的に妥協なく求めて設計されていた。多少割高であっても、音質は評価が高く特徴的でバロック向きの優秀な楽器としてアールボーンと並んで評されてきた。2005年以降、生産が中断されていたが2009年後半から日本オルガン(株)に技術移管となり同社のオリジナルブランドとして再登場の運びとなったものの、2017年で開発終了。 ドリマトーン(河合楽器製作所)- カワイが所有するホームタイプ電子オルガンの登録商標。国内メーカーによるホームタイプ電子オルガンとして、エレクトーン(ヤマハ)やミュージックアトリエとともにその開発のアイデアの元祖は、パイプオルガンとシアターオルガンに由来している。当初、教育用や、娯楽的意図が強かったが、より芸術的な表現に対応できるよう開発が続けられた。旧来より、主要機種にはドローバーが搭載されているのも特徴となっている。2016年で開発終了。 クロダトーン(クロダオルガン) エミリオン(ブラザー工業) テクニトーン(松下電器産業) ビクトロン(日本ビクター)
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