語源・使用例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 08:16 UTC 版)
英語の「クリスチャン(Christian)」は、ギリシア語の "χριστιανός"(christianós;クリスティアノス)が語源で、直訳すると「小さなキリスト」、ひいては「キリストに似た者」、「キリストに倣う者」、「キリストに属する者」という意味である。キリストとは、「油を注がれた者」という意味のギリシア語 "Χριστός"(Christós;古代ギリシア語:クリストス、中世~現代ギリシア語:フリストス)が語源であり、さらに元はヘブライ語の "משיח"(マーシアハ)あるいはメシア(アラビア語では مسيح マシー)のギリシア語訳である。日本ではイエス・キリストをフルネームのように扱うことがあるが、正確には「香油を注がれた聖なる者・救世主であるイエス」という意味で、それ自体が信仰告白の意味を持った呼称である。 当初「クリスティアノス」という言葉は、イエス・キリストの使徒(弟子)や信徒と見なされた人間に対する蔑称として使われた。歴史上最も古い記述は、新約聖書の『使徒言行録』第11章26節にみられる。イエスの弟子たちを初めて「クリスティアノス」と呼んだのは、シリア(歴史的シリア:現在はトルコ領)の都市アンティオキアの非キリスト教徒たちであった。 クリスマスを "Xmas" と書くように、クリスチャンは "Xian" や "Xtian" と表記されることがあるが、一般的ではない。短縮形に X や Xt を用いるのは、キリスト(Χριστός)の最初のギリシア文字である Χ(キー)が、ラテン文字の X に似ているためである。 クリスチャンはまた、キリスト教に関わる事物を表す言葉としても用いられる。 世界中で最も広く知られているキリスト教徒のシンボルは十字架であろう。欧米ではイクトゥスという魚のシンボルマークもよく使われる。それは「イエス、キリスト、神の子、救世主」というギリシア語の単語の頭文字を並べて作られた造語であるが、それがちょうど「魚」と同じ綴りとなることに由来する。
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