試合会場における政治的メッセージ掲揚問題
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「EAFF東アジアカップ2013」の記事における「試合会場における政治的メッセージ掲揚問題」の解説
7月28日、最終試合となる韓国対日本戦の会場において、韓国側応援団が「歴史を忘れた民族に未来はない」(역사를 잊은 민족에게 미래는 없다)とハングルで大書された横断幕を掲げた。また試合開始直前には、1909年に初代韓国統監であった伊藤博文元首相を暗殺した安重根、および16世紀の文禄・慶長の役で豊臣秀吉軍を破った李舜臣両名の巨大な肖像画を描いた幕を観客席に広げた。これに先立つ7月21日に行われた女子の韓国対北朝鮮戦では、観客が「祖国は一つ」と書かれたプラカードや過去の国際競技で南北が統一チームを構成した際に用いた「統一旗」を掲げ、主催者側はこれを下ろさせていたが、28日の日韓戦では前半終了まで横断幕は掲げられたままになっていた。これらの行為は応援時の政治的な主張を禁じた国際サッカー連盟規定に抵触する可能性があると見られている。同応援団は7月27日の女子最終戦韓国対日本戦では、海外流出文化財の返還問題を訴えるため東京国立博物館が所蔵する朝鮮王朝の鎧や兜の写真を印刷した懸垂幕を作り会場に持ち込むことを計画し、韓国サッカー協会に禁じられている。 7月24日の韓国対中国戦では、ロンドン五輪の日本戦直後に竹島(韓国名・独島)の領有権を主張するメッセージを掲げ、国際サッカー連盟(FIFA)から国際Aマッチ2試合の出場停止と3500スイスフランの罰金処分を受けていた朴鍾佑に対して、場内アナウンサーが「独立闘士」と紹介していたことが判明した。 これらの行為に対して日本政府は7月29日、菅義偉内閣官房長官が「極めて遺憾だ」と述べ、国際サッカー連盟(FIFA)は応援時に政治的主張を行うことを禁じていると主張、その翌日には下村博文文部科学大臣も、横断幕の掲示について韓国の「民度が問われる」とさらに強い言葉を述べた。これに対し韓国外務省は、下村大臣の「無礼な発言」を遺憾に思うと声明を発表し、KFA側も「日本のファンはキックオフ後に巨大な旭日旗を振り、韓国のファンを強く刺激した。これが事態の引き金になった」という声明を発表した。なお、日本のサポーターの男1人が試合の冒頭で3分程度旭日旗を掲げ運営側に撤去されたが、撤去された後もサッカー韓国代表のサポーター「レッドデビルス」は大型横断幕を前半終了まで掲げ続けた。加えて、運営側が韓国側の横断幕を強制撤去すると強く反発し、後半の応援をボイコットした。 「レッドデビルズ」は、「(日本のサポーターは)私たちより扇情的な『横断幕』を掲げていた」と主張した(なお、「歴史を忘れた民族に未来はない」と書かれた韓国側の大型横断幕は主催側によって前半終了後に強制撤去されている)。また、韓国側の横断幕はその大きさから判断して事前に準備されていたとみられており、これに対し韓国側は横断幕は以前から使用していた事実を認めた。
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