計画の見直しと工事費の増加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 06:38 UTC 版)
「北陸新幹線」の記事における「計画の見直しと工事費の増加」の解説
フリーゲージトレインの導入を断念する方針が発表されると、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の検討委員会において、福井駅および敦賀駅の乗換利便性向上設備の追加が決定された。福井駅の新幹線ホームは1面2線と狭いことから、乗換利便性向上のため、ホーム開口部を3か所設置することや中2階に在来線との連絡通路を設置すること、ホーム柵の位置を変更してホーム幅を拡張する計画となった 。また、2020年度の福井先行開業も計画していたが2017年3月11日に与党PTにより断念している。敦賀駅では大阪・米原方面の在来線特急との乗り継ぎ時間短縮などを目的に、新幹線駅舎の1階に在来線を引き込み、上下で乗り換えできるように計画が見直された。2017年(平成29年)10月には工事完了を「平成34(2022)年度に前倒しする」ことや、福井駅、敦賀駅の乗換利便性向上施設などを追加した工事実施計画(その2)が認可された。 建設コストの削減や河川環境への影響低減を目的に、九頭竜川に架かる北陸新幹線 九頭竜川橋りょうと福井県道 新九頭竜橋(仮称)の一体的整備が進められており、完成すれば新幹線では初の鉄道道路一体橋となる。橋梁下部工を鉄道と道路で一体構造にすることで、約2.5億円のコスト削減が見込まれる。九頭竜川流域への環境問題において、前述の九頭竜川橋りょう建設地付近には国指定の天然記念物であるアラレガコの生息地が存在する。これらの生物は遡上能力が高くないため、環境変化の影響を受けやすい。そのため、川の流れを変える瀬替えをしない、間隔を広くとった仮橋・仮設構台を設けて施工している。2019年5月11日には九頭竜川橋りょうの架橋工事が完了している。 敦賀市内に建設予定の深山トンネル付近には、新幹線建設の認可後、国際的な湿地保護条約であるラムサール条約に登録された中池見湿地が存在している。そのため、専門家による検討委員会が開催され、中池見湿地付近の深山トンネルと後谷部およびその前後のルートを東側へずらすルート変更が行われ、認可された。 2019年(平成31年)3月には現認可額の1兆1,858億円から2,263億円の増加となる1兆4,121億円となる工事実施計画の変更が認可された。 2021年(令和3年)3月には工事費の増額および工事の完了時期の変更伴う工事実施計画の変更が認可され、工事費は現認可額の1兆4,121億円から2,658億円の増加となる1兆6,779億円となった。また工事の完了時期が現認可の平成34(2022)年度末から令和5(2023)年度末に変更された。
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