西洋の帝国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 18:49 UTC 版)
ローマ帝国、カルタゴ、古代マケドニア人(英語版)は、時々処刑用にゾウを使った一方、最も有名なハンニバルについて言えば、軍事目的で戦象も利用した。脱走兵や戦争捕虜、軍事的犯罪者はゾウの足下で死刑に処されたことが、古代の年代記編者たちにより記録されている。紀元前323年のアレクサンドロス3世の死亡時にマケドニア王国の摂政となったペルディッカスは、バビロンの街でメレアグロスの派閥からの反逆者をゾウに投げつけ潰させた。ローマの作家クイントゥス・クルティウス・ルフス(英語版)はその著書『Historiae Alexandri Magni』にて、次の話を物語る。 ペルディッカスは彼ら(反乱者たち)が無力化され、なすがままになっているのを見た。アレクサンドロスの死後に開かれた最初の会議でメレアグロスが急に飛び出した時、ペルディッカスは当時メレアグロスに従っていた300人ほどの者を本体から引き抜き、彼は全軍の目前で彼らをゾウのもとに投げた。その獣の足下で踏まれて全員が死亡した…。 同様に、ローマ人作家ヴァレリアス・マキシマス(英語版)は、ルキウス・アエミリウス・パウルス・マケドニクス将軍がどのように投げたかを記録している。「ペルセウス王が (紀元前167年に) 打ち負かされた後、彼は同じ過失(脱走)について男たちをゾウの下へ投げ付けて踏ませた…。そして、実際に軍紀はこの種の厳しくぶっきら棒な罰を必要とする。なぜならば、こうして軍事力が確かなものとして確立し、それが正道から転落した時には覆されるからだ。」 民間人の簡単な処刑として使われたゾウの記録はより少ない。一つのこうした例は、フラウィウス・ヨセフスによって言及され、おそらく創作であろうが、エジプトのユダヤ人に関連したマカバイ記3(英語版)の第二正典である。マカバイ記3は、奴隷にしてエジプトのユダヤ人にディオニューソスのシンボルで焼印を押すという、プトレマイオス4世 (在位紀元前221年-紀元前204年) による企図を記述している。ユダヤ人の大多数が抗議すると、王は彼らを集めてゾウに踏まれるよう命じたと言われている。おそらく天使の介入によって、その集団処刑は最終的に阻止され、その後プトレマイオスはユダヤ人の臣民たちに対してすっかり寛大な態度を取った。
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