西洋の様式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/05 16:35 UTC 版)
ドイツでは枝角などの素材が、インドでは象牙やヒスイなどが、特に華美で豪奢な火薬入れを作る材料だった。16世紀や17世紀初期のドイツ製火薬入れには、多種多様な場面を描いた非常に豪華な彫刻が施されたものがある。例えば、人物を象徴的に描いた図像のような物である。枝角は、狩りと関連する器具の装飾に用いられた。銃床のボタン、ナイフの柄、そして馬の鞍などである。これら全ては、枝角の薄片に彫刻を施した物で飾られた。ドイツの王子の護衛は制服として、しばしば紋章のデザインで飾られた精巧な火薬入れを装備していたとされる。 19世紀までには、中央部に浅い浮き彫りを施した、押し型で作られる金属製の火薬入れが主流となった。特定のメーカーによる標準的なタイプが、市場を独占しており、銃器や火薬のメーカーによって生産されていたものには商標や広告がつけられていた。小型の火薬入れの形状は洋ナシ型が主流とり、その多くはポケットに入れて携行されていたと考えられる。
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