オリエンタリズムの定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 10:06 UTC 版)
「オリエンタリズム (サイード)」の記事における「オリエンタリズムの定義」の解説
サイードは、オリエンタリズムという語に複数の意味を与え、それらは相互依存関係にあるとした。主な意味あいとして、次の3つをあげている。1.学問に関係する意味 2.東洋と西洋とされるものの間に設けられた区分 3.オリエントを支配し再構成し威圧するための西洋の様式 オリエンタリズムの本質を見極める上で、ミシェル・フーコーが用いた言説(ディスクール)の概念が有効だとしている。学術的な言説が帝国的制度と結びつくことを、サイードはナポレオン・ボナパルトのエジプト遠征から現代のアメリカにおける制度化までを例に論じる。 戦略的位置選定によるオリエンタリズム 戦略的位置選定とは、著述家が東洋を取り上げた場合に、著述家自身がテクストの中でいかなる位置を占めているかを記述する手法。オリエンタリズムには空間的、現象的、歴史的な多義性があるが、これらの多義性は、著述家が東洋を外在的なものとして語る点で共通しているとする。 戦略的編成によるオリエンタリズム 戦略的編成とは、テクストが文化の中で参照能力を増してゆく過程と、テクスト本体との関係を分析する手法。西洋におけるオリエントの社会や文化に対する見解には、後進性についての無意識的な確信があると指摘した。さらに、西洋列強のオリエンタリズムに基づいた学問的・実践的な知識が、権力と密接に関連しながら東洋に対する西洋の支配関係をもたらしていると論じた。
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