蒲生蒼太(がもう そうた)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 22:39 UTC 版)
「夢幻花 (東野圭吾)」の記事における「蒲生蒼太(がもう そうた)」の解説
大学院生。東京都江東区木場の実家を離れ、東大阪市で駅が2つばかり離れたマンションから通う大学で「物理エネルギー工学第二科(旧「原子力工学科」)」に籍を置き原子力工学を学んでいる。以前は定番コースの原子力関連会社に就職するのが普通だったが、震災と原発事故により未来が感じられなくなり原子力とは無関係の会社に就職する人間が増えており、地元・大阪の友人の藤村と共に就職を目の前にして進路に迷っている。更には、除け者にされるだけの東京の実家では家族に囲まれていても孤独だった。中学2年の夏、入谷の朝顔市には七夕に一家で毎年出かけるのが蒲生家の恒例行事だから楽しまないと損だと母に言われ鰻を奢って貰えるということもあり同行していたが、険しい視線をアサガオに向ける父と兄の様子に不審を抱いていた。その朝顔市で伊庭孝美という少女と出会い、恋に落ちる。しかし、PCを買って貰う時に抜き打ちで中身を見るとは言われたが、本当にPCやメールを父が盗み見て孝美との交際を踏み潰され、同じ被害者である筈の孝美にも一方的に別れを告げられて捨てられ深く傷つく。そのため、朝顔市には2度と行かなくなった。兄に遠慮しているかのような母に疑問を抱いていたが、小学3年生の時に帰宅した自身の胸の名札を見た近所の靴屋の「2番目の奥さんの子」という言葉に母が後妻であり、兄とは異母兄弟であることを知る。それでも自身を除く、両親と兄の仕打ちに嫌気がさしていたため、干渉されない遠い場所の大学にしようと決意し、一番強く反対した母の反対を押し切って大阪の大学に進学した。父方の叔母・綾子に慰められても暗い気持ちは晴れることはなかった。10年後、殺人事件の被害者の孫娘・梨乃と知り合い、植物専門の会社の代表だと名乗って根掘り葉掘り聞いた末に梨乃を脅迫したことを知り、警察庁の役人が何事だと激怒して要介を電話で詰り梨乃と団結して謎に立ち向かう。事件の真相を追う過程で、梨乃の自殺した従兄が作ったバンドで偽名を名乗る孝美と再会する。その直後に孝美が、母の過去を知ったら母が姿を消し、事件は混迷を深めるのだった。紆余曲折の末に殺人事件が解決した後、原因の1つが曾祖父にあるという蒲生家3代の「黄色いアサガオ」追跡の実態を知る。
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