自然吸気による出力増強と燃費改善
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「マツダ・13B型エンジン」の記事における「自然吸気による出力増強と燃費改善」の解説
2003年から2012年。サイド吸気とサイド排気を採用して、ターボチャージャを搭載せずにターボチャージャ搭載と同じ出力と低燃費と排ガス特性を改善した新世代RE。 REの新たな創生を意味する『RENESIS』(RE+GENESISの造語)と命名した。・サイド排気従来のロータハウジングにあった排気ポートをサイドハウジングに移設することによって、給排気ポートタイミングのオーバーラップを解消し、吸気行程への排気の持ち込みを減らして低速での安定燃焼を確保した。 さらに従来型では、アペックスシールによって排気ポートに掻き出されていた未燃ガスを次の燃焼工程に送り込み、燃焼させることにより未燃ガスの排出量を削減して低燃費に貢献している。またサイドハウジングの両側に排気ポートを設置することによって、従来比2倍の排気ポート面積を確保して排気抵抗を削減して高出力を確保した。 排気ポートのオープンタイミングを従来より遅らせることによって、膨張行程を長くして排気効率を向上させて低燃費化を実現した。 ・吸気ポート排気ポートとのオーバーラップをなくすことによって、吸気ポートのレイアウトや形状やタイミングの自由度が上がり、従来より吸気ポート面積を約30%拡大して吸気抵抗を大幅に削減させている。また吸気ポートのクローズタイミングを遅らせることにより吸気量を増加させることにより高出力化を図っている。 高出力型は合計6ポート/通常型は合計4ポートとし、吸気菅にシーケンシャル・ダイナミック・システムを採用して2ロータRE特有の吸気脈動効果を積極的に活用して、低中速域の分厚いトルクと高回転域での圧倒的な高トルク/高出力を発生させている。 ・ロータエンジンの高回転化とエンジンレスポンスの向上を図るために、ロータを約5%・フライホイールを約15%軽量化を行なった。 特にロータの軽量化は、出力軸の撓み低減に効果があり、エンジンの高回転化に寄与した。また サイド給排気を行うために、ロータ側面のオイルシールとサイドシールの間に新規にカットオフシールを設置して連通のない気密性を確保した。 サイドシールの位置をロータ外周側へ2mm移動させて吸気ポート面積の拡大を可能にした。 ・サイドシール従来は、ペリフェラル部の排気ポートにアペックスシールでカーボンを掻き出していたが、サイド排気を採用したためオイルのカーボン対策が必要になる。そのためサイドシールの断面形状を台形のキーストン・サイドシールを採用して、サイドシール部にカーボンカーボンスラッジが溜まり動作しなくなることを防止した。 ・アペックスシールの潤滑従来は、吸気の中にオイルを混合させていたが、アペックスシールの通過するトロコイド面に電子制御のメータリングインジェクタを複数個設置して、オイルを直接アペックスシールの潤滑面に塗布する仕組みに変更して、オイル消費を削減すると同時に潤滑オイルによるカーボンスラッジの発生量を低減した。 アペックスシール自体は、2分割タイプに変更して、ポートからの脱落を防止した。 ・インジェクタ各ポートに1本づつのインジェクタを配備。プライマリインジェクタには、燃料の超微粒化を図るために12噴口タイプを採用して、ポートエアブリードからジェットエアを導入して、吸気ポートに付着した燃料を点火プラグにの方向に吹き飛ばすフェール・ミキシングシステムを採用した。 また アクセルペダルの踏み込み速度や量を電気信号に変換して最適制御を行うエレキスロットルの採用と最新の電子制御技術による緻密な空燃比制御を行い、排気エミッションレベルの低減と燃費改善と高出力化を達成した。 ・触媒新開発のプラチナ-パラジウム-ロジウム系触媒を採用し、ウオームアップ改善と抵抗削減を両立した。 *エンジン出力・前期 6ポート 4ポート最高出力: 250PS/8,500rpm 210PS/7,200rpm 最高トルク:22.0kgf・m/5,500rpm 22.6kgf・m/5,000rpm ・後期 6ポート最高出力: 215PS/7,450rpm 最高トルク:22.0kgf・m/5,500rpm
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