職業を得る道筋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 06:31 UTC 版)
人が職業を得る道筋はさまざまである。家業をつぐことで職業を得る場合もあるし、同族経営に参加することで職業を得る場合もあるし、誰かに雇われること、被雇用者となることで職業を得る場合もあるし、自分で起業することで職業を得る場合もある。 統計的に見てそれなりに割合が高いパターンとして親などが家業や家族経営を持ったり行っている場合を説明すると、これもいくつかのパターンがある。一族が家業を持っている場合は自然な流れで、家業の場で一種の「修行」のような形で、家業の訓練、職業の訓練を行うことになり、そうして職業を得てゆくことになる。また親や祖父母などが家族経営、同族経営などでビジネスを行っている場合も、いくつか経路はあるが、多くの場合、最初は現場を知るために従業員として経験を一定程度積み、やがてそのビジネスの経営陣の中に加わってゆく形で次第に経営者という職業を得てゆくことになる。 アメリカでは優秀な人々は、誰かに雇われることを良しとせず、学生の段階で小さなビジネスを起業しそれを成長させ法人化し、その会社の経営者となってゆくというパターンも増えている。その場合、経営者であること、経営者として自分の会社を経営し従業員を率いてゆくことがその人の職業である。 当人の家族に家業もなく親が家族経営・同族経営をしておらず当人が学生時代に起業もしない人の場合、職業を得たい場合は就職活動を行う必要がある。この場合、就職活動を行わないと通常は無職状態になる。 就職活動のありかたは、世界の国々によってかなり異なっている。フランスでは学生をしつつ企業でインターンをするのが当たり前と見なされていて、インターンをしなければ就職もできない。ドイツなどでは、かなり若いころに2つの経路のうちどちらを選ばせる。すなわち若いうちから職能を身に付ける、つまり「職人」的な道へと進むか、それとも、大学などの高等教育を受ける道を進むか、どちらをとるかしっかり選ばせるシステムになっており、職人的な道のほうは、一週間を曜日で分けて、働きつつ教育も受けるという、デュアルシステムを特徴としている。日本の就職活動の状況は、就職率などを見ると、世界的に見てかなり特殊な状況である。 就職の機会を若いほうから挙げてみると、小学生などの段階でもすでにあり、たとえば芸能事務所に所属し子役俳優の仕事を得て繰り返し収入を得ている人は小学生の段階ですでに職業を得ていることになる。次に中学生の段階でも就職の機会があり、続いて高等学校在学中、それに続いて短大、高専、専門学校、大学在学中、それに続いて大学院在学中などが主な機会である。また一旦就職した人がその仕事を失い再度就職することもある(再就職という)。いちどは他人が経営する会社で被雇用者となった人が親が高齢化した段階で自分の家の家業を継ぐ決断をし、会社を退社して自営業者や経営者になる形で転職する人も統計的に見てかなりいる。日本では俯瞰して統計的に言えば、高校卒業後・高専卒業後・短大卒業後・大学卒業後などに就職している割合が高い。 好景気期には、いわゆる「売り手市場」となり就職は比較的容易になる傾向があり、不景気期にはいわゆる「買い手市場」となるため就職が困難になる傾向がある。 「就職活動」も参照
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