素材と技法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 17:17 UTC 版)
彫刻に使用される素材は多様で、歴史を通じて変化している。優れた耐久性を備えた古典的素材は、金属、青銅、石、陶器であり、耐久性は低いが安価な選択肢として、木材、骨、角がある。金、銀、翡翠、象牙などの貴重な素材は、小さな高級品や時にはクリセリファンティン(金や象牙をちりばめた)立像のような大型作品で用いられることが多い。より一般的で安価な素材はより広く消費される彫刻に使用され、これには広葉樹(コナラ属、ツゲ属、シナノキ属など)やテラコッタなどの陶器、蝋(鋳造用の模型にとって非常に一般的な素材)、ピューターや亜鉛(スペルター)などの鋳造金属が含まれる。しかしそれ以外の膨大な数の素材が彫刻の一部として、民族誌作品や古代の作品で現代のものと同じくらい使われていた。 彫刻は塗装されることも多いが、一般的に歳月または復元者によってその塗装は失われてしまう(例えばエルギン・マーブルの研磨行為など)。彫刻を作る際には、テンペラ、油絵、金箔、家庭用絵具、エアロゾル、エナメル、サンドブラストなど多くの塗装技術が使われている。 多くの彫刻家は、芸術を生み出す新たな手法および素材を模索している。パブロ・ピカソの有名な彫刻『雄牛の頭部 (Bull’s Head) 』には自転車の部品が含まれていた。アレクサンダー・カルダーや他のモダニズム彫刻家は塗装された鋼鉄を使用した。1960年代以降はアクリルなどのプラスチック類も使用されている。アンディー・ゴールズワージーは、自然界にあるほぼ完全に自然の素材から非常に儚い彫刻を製作している。氷の彫刻、砂の彫刻、気体の彫刻 (gas sculpture) など一部の彫刻は意図的に短命である。近年の彫刻家は、ステンドグラス、工具、機械部品、ハードウェア、消費包装を使って作品を製作してきた。彫刻家は時にファウンド・オブジェを使い、中国の供石は何世紀にもわたって評価されている。
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