第2次規格
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「JIS X 0208」の記事における「第2次規格」の解説
第2次規格は、1983年9月1日に第1次規格を改正したJIS C 6226-1983 情報交換用漢字符号系 (Code of Japanese graphic character set for information interchange) である。83JISとも呼ばれる。工業技術院の委託を受け、日本情報処理開発協会漢字符号系JIS委員会が原案を作成した。委員長は元岡達であった。 第2次規格の原案は、常用漢字表の公布、人名用漢字別表の施行、郵政省による日本語テレテックス標準化の検討などをふまえ、JIS C 6234-1983 ドットプリンタ用24ドット字形(現在のJIS X 9052)の原案作成と歩調を合わせて、つぎの変更がおこなわれた。 特殊文字の追加 特殊文字に39文字が追加された。39文字には、日本科学技術情報センターからの提案、JIS Z 8201-1981(数学記号)、JIS Z 8202-1982(量記号、単位記号及び化学記号)などから、合成によって表現できないとされたものが選ばれた。 罫線素片の新設 32文字からなる罫線素片が追加された。 異体字の区点位置の入れかえ 互いに異体字の関係にある第1水準漢字および第2水準漢字の22組について、区点位置が入れかえられた。たとえば、第1次規格では第1水準である36区59点の「壺」は、第2次規格では第2水準である52区68点に移され、もと52区68点であった「壷」が36区59点に移された。 第2水準漢字の追加 第1水準漢字3文字および第2水準漢字1文字は、空き領域であった84区に第2水準漢字として新たな区点位置を与えられた。もとの区点位置には、それぞれの漢字の異体字が収容された。例えば、第1次規格に含まれていなかった「尭」を第1水準に収録するために、22区38点の「堯」が84区1点に移動され、22区38点に「尭」が収容された。 字形の変更 約300文字の漢字の字形が変更された。野村 (1984) によれば、字形が変更されたのは区点位置間での入れ替えを含めて294文字である。芝野 (1997a) および第4次規格の規格票の解説によれば、字形が変更されたのは300文字である。 約300文字の字形の変更のうちには、第1次規格の字体がいわゆる康熙字典体であったものを、異体字、とりわけ略字(拡張新字体)に変更したものがあった。例えば、字形が大きく変わったためによく批判の材料にされたのが、18区10点の「鴎」および38区34点の「涜」である。 いわゆる康熙字典体からその異体字への変更としては、もっと小さなものが多かった。例えば、25区84点の「鵠」である。第1次規格の字体が康熙字典体でなかったものを、いわゆる康熙字典体に変更したものもあった。例えば、80区49点の「靠」である。 これらは、第1次規格の設計意図を明らかにするために第4次規格で示された包摂規準によって包摂される範囲内となった。例に挙げた「鵠」および「靠」についての変更前後の字体差は、部分字体「告」についての包摂規準(連番42) の範囲内である。 字形の変更の基準は第1水準漢字と第2水準漢字で違ったものになっている。具体的に言えば、略字化は第1水準漢字のほうが第2水準漢字よりも進んでおり、第1水準漢字の「溌」や「醗」は略字化されているが第2水準漢字の「撥」は略字化されていないといった違いがある。前述の「鵠」と「靠」についても「鵠」は第1水準漢字、「靠」は第2水準漢字といった違いがある。もっとも、第2水準漢字でも字形が変更されたものもあり、「戸」を含む文字や「冬」を含む文字などは第1水準漢字、第2水準漢字の違いなく変更されている。 しかしながら、先に挙げた「鴎」、「涜」など29の区点位置については、第4次規格では、第1次規格の設計意図と矛盾するものとされた。これらは、第4次規格において「過去の規格との互換性を維持するための包摂規準」を適用する区点位置になっている。 JISに分類記号「X」の情報部門が新設されたのにともなって、第2次規格は、1987年3月1日にJIS X 0208-1983に移行した。
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