幽霊文字が残されている理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 14:41 UTC 版)
「幽霊文字」の記事における「幽霊文字が残されている理由」の解説
Unicode 1.1U+5788 U+599B U+5CBE JIS X 0208-1990(日本)垈(52区18点) 妛(54区12点) 岾(54区19点) CNS 11643-1992(台湾)- 妛(3面2553) - KS C 5601-1987(韓国)垈(535C) - 岾(6F40) 笹原宏之らによって幽霊文字の調査が行われたが、これはJIS X 0208の第4次規格(1997年)改正の一環であった。第2次規格(1983年)のいわゆる「83JIS改正」では、区点の入れ替えを主とする非互換の改変がされたために大きな混乱を招いた過去があり、それを再び起こすわけにはいかなかった。 詳細は「JIS X 0208#第2次規格」を参照 また、Unicodeとの互換性を維持する必要もあった。調査時点において1993年制定のUnicode 1.1には既にJIS基本漢字がすべて収録されており、この時期になっての変更は、単に国内だけの問題に留まるものではなかった。またUnicodeでは、source separation rule(原規格分離規則、例えばJIS X 0208で別々に収録されているものは分離を維持する)という原則の一方で、CJK統合漢字ではその規則に反しない範囲で包摂(en:Han unification、包摂 (文字コード) の記事も参照)を行うという複雑な経緯を経て、またそれ以降においても、Unicode収録文字に基づいて中国GB 16500-1995、台湾CNS 11643-2004などといった他国内規格が追加拡張を行っており、これら規格内にも幽霊文字が含まれている。以上のような把握困難な複雑さから、変更という形での対処は事実上不可能であった、と言えよう。 結果として、幽霊文字はいまなおJIS基本漢字やUnicodeに残され、フォントさえ用意すれば世界中の情報機器で利用可能となっている。
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