第二次世界大戦の軍服
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 08:37 UTC 版)
「軍服 (イギリス)」の記事における「第二次世界大戦の軍服」の解説
イギリス軍が第二次世界大戦のヨーロッパ戦域で一般的に使用した野戦服は、1937年に制定されたP1937(1937パターン)のバトルドレス(英語版)だった。カーキ色のウール地で丈が腰までしかないのが最大の特徴だった。バトルドレスは野戦服としてだけではなく通常勤務服としても使用された。このバトルドレスの導入により丈が長くて腰ポケットが付いていた下士官兵用の通常勤務服は戦時中にはほとんど使用されなくなった。ズボンの裾を絞ってその上からゲートル(巻きゲートルかキャンバス製の短ゲートル)を巻き、アンクルブーツという編み上げ靴を履くのが当時の英国歩兵の一般的スタイルだった。将校のみ戦時中でも後方地域などでは平常勤務制服の着用が見られた。 第二次世界大戦開戦時にイギリス軍が使用したヘルメットはお皿型のブロディヘルメットだった。第一次世界大戦時のマーク1ヘルメットと、1938年に登場した改良型のマーク2ヘルメットがそのまま使用された。しかし1943年後半からは従来よりひさしの部分が丸みを帯びたマーク3ヘルメット(英語版)の開発がすすめられ、1944年半ばから支給が始まった。 戦車兵は当初一般兵と同じバトルドレスを着ていたが、戦争後半になるとカーキグリーン色のカバーオール(つなぎ)やタン色のオーバースーツも登場した。また大戦前期は機甲部隊の兵科色である黒のベレー帽をかぶる戦車兵が多かったが、大戦後期にはヘルメットをかぶっている戦車兵が多くなった。 北アフリカ戦線ではカーキ色のコットン生地製の熱帯地域用のドリル・ユニフォームが使用された。バトルドレスと同じく腰までしか丈がなく、上衣の前合わせのボタンが4つ付いているが、下まで開かないプルオーバーシャツ(頭からかぶって着るシャツ)である。 太平洋戦域では当初北アフリカと同じカーキ・ドリル野戦服が使用されたが、1942年からはジャングル・グリーン色(ライトカーキ色の被服をグレーがかったグリーンに染めた物)のエアーテックス生地の上衣とドリル生地のズボンが採用された。英領インドで生産体制を整えて大戦末期まで太平洋戦域の英軍に使用された。また太平洋戦域では鍔の広いフェルト製のスラウチハットが愛用された。 バトルドレス バトルドレス マーク1ヘルメット マーク3ヘルメット 将校の軍服 北アフリカのカーキ色のドリル生地の熱帯服(先頭の人物) 将校制帽を被るマイルズ・デンプシー(英語版)(左)と戦車兵用の黒いベレー帽をかぶるバーナード・モントゴメリー(右)。モントゴメリーはよく黒いベレー帽をかぶっておりトレードマークとなっていた。 太平洋戦域で愛用されたスラウチハット
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