第二事件(東京)
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「北海道・東京連続少女監禁事件」の記事における「第二事件(東京)」の解説
執行猶予期間中に東京都へ転居した男はチャットに出入りし、そこで知り合った兵庫県出身の少女(当時18歳)と交際を始めるが、2004年2月、少女を脅迫して上京させたうえで都内のマンションやホテルで3ヶ月強にわたり北海道での第一事件の際と同様にペット用の首輪を付けて監禁。女性に「オレは病気だから捕まらないんだ」と主張。少女は6月初旬に監禁されていたマンションの一室から自力で脱出して保護されたが、心的外傷後ストレス障害(PTSD)による衰弱が激しい状態であった。 男は、その後自分は統合失調症であると主張し札幌市内の病院に通院。2004年12月と2005年4月、幻聴が聞こえるとして東京都内の病院で統合失調症の診断を受ける。警視庁綾瀬署は2005年5月12日に男を監禁致傷容疑で逮捕。 なお、男が東京へ転居した際は青森保護観察所へ転居先の住所を届け出ていたが、同観察所から東京保護観察所への転居事実確認を求めるファクシミリの送信が(東京の市外局番の03を3と入力したため)失敗していたことが後に判明。この情報伝達ミスが結果的に東京での第二事件を防げなかった原因の一つとされている。 後に、他にも2003年12月から2004年12月にかけ、少女(当時17歳)を青森県五所川原市内などのホテルで約3日間監禁、女性(当時22歳)を東京都内のマンションに約4か月間監禁、女性(当時23歳)を東京都内のマンションに約10日間監禁したとして再逮捕。計4人への事案で起訴された。 男は拘置中に結婚と離婚を繰り返している関係で名字が逮捕時及び実家の名字と異なっており、チャットで使用していた女性名義のハンドルネームも存在するために裁判では様々な名前で呼ばれている。なお、男の精神鑑定は却下された。法廷には白いスーツで出廷する事もあった。 2007年10月19日、東京地方裁判所で男に対し「若い女性を脅迫して脱出困難な心理に陥れ『お仕置き』と称した暴力や性的行為を繰り返した。被害者に絶望的な恐怖感と甚大な苦痛を与え、反省の姿勢も全くうかがえない」として懲役14年(求刑懲役15年)の実刑判決が言い渡された(共同通信2007年10月19日)。男は控訴したが、2010年9月24日に東京高等裁判所に棄却され(共同通信2010年9月24日)、更に最高裁判所へ上告した。被告側は「PTSDのような精神的な傷害は、刑法の傷害には当たらない」と無罪を主張した。2012年7月24日、最高裁第2小法廷の千葉勝美裁判長は、「PTSDなどの精神的機能の障害を引き起こした場合も、刑法の傷害に当たると解釈するのが相当」と最高裁として初の判断を示した上で、被告の上告を退けた(読売新聞2012年7月25日)。これにより、男の懲役14年の刑が確定した。(実際には前の執行猶予が取り消され懲役3年が追加される。)
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