競技以外での利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 08:11 UTC 版)
「トラックレーサー」の記事における「競技以外での利用」の解説
詳細は「固定ギア」および「ノーブレーキピスト」を参照 トラックレーサーは速く走るための自転車であるが固定ギアであるためペダルを踏む足で微妙にスピードを調整し、ゆっくり走る事もできる。ただし減速はペース調整程度にしか行えず、ブレーキを使わなければ制動は不可能である。 複雑な変速機構等を持たない、非常にシンプルな構造で整備性・耐久性に優れ、メンテナンスが簡単かつ安価に済むという理由からメッセンジャー達がニューヨークなどで1970年代後半 - 1980年代にかけてトラックレーサーの使用を開始し1980年代にはケビン・ベーコン主演で映画化(Quicksilver)された。 2000年代後半 - 2010年代にかけて再び70ー80年代のトラックバイクのレプリカがメッセンジャーの影響もありニューヨークなどで再流行しプレミアム・ラッシュなどの映画も話題作となった。ミラノやロンドンなどヨーロッパの都市でもトラックレーサーレプリカが流行した。その背景には運輸交通部門における環境改善、市民の健康増進、そして地域経済の活性化・市民生活の向上を同時に達成するというヨーロッパ各国の都市交通計画と重なり自転車が都市交通の重要なファクターとして推進され安価でデザインも良いフリーホイールのシングルスピードバイクは市民の一部に定着した。 日本国内では法令により定められた方式による制動装置を備えない自転車の公道走行は禁止されており、またそのような車両にはねられた歩行者が死亡したり重傷を負ったりする事故も相次いで発生した。法令に違反するのみならず、事故の危険も大きいため、警察は交通違反切符を切るなど取り締まりを強化している。道路交通法の運用方針も改められて自転車の車道走行ルールが明確化されることとなった。ノーブレーキピストもその自転車に該当する。 自転車で歩行者をはねて死亡させたり重傷を負わせた場合、民事訴訟で数百万〜5,000万円超の高額賠償を命じる判決が相次ぎ、また主要4地裁の裁判官が「歩行者に原則過失なし」との見解を法律雑誌に掲載した(「交通事故損害賠償実務の未来 第4回「自転車事故と過失相殺」」『法曹時報』第62巻第3号、法曹会、2010年3月、 27頁、 ISSN 00239453。)。
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