社会的影響と持続可能な開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 18:48 UTC 版)
「イドロ・ケベック」の記事における「社会的影響と持続可能な開発」の解説
もう一つの主要な環境問題は水力発電開発の影響を受けた地元住民、特にコート=ノールのインヌ人(英語版)や北ケベックのクリーやイヌイットとの問題である。20世紀最後の四半期に行われた水力発電開発は1950年代から始まった先住民との解決プロセスを加速させるものだった。先住民が定住型生活を取ることが増えた原因は先住民によるビジネスの成立、有給労働の導入、新たな貯水池が原因である伝統的な狩猟や釣り場所の水害、そしてジェームズ湾と北ケベック合意に基づいたコミュニティ自身による社会や教育サービスの運営によるものである。 いくつかの先住民のコミュニティ、特にクリー族は「ますます南部の工業化社会に似てきた」という見方をしているが、イドロ・ケベックによる1970年から2000年の間でのこの地域における研究をまとめた報告書でも指摘されている。さらにこの報告書では、同様の現象は北カナダとスカンジナビアでの孤立したコミュニティ近くに道路や水力発電所が建設された後にも見られたとしている。しかし、1990年代、大規模な建設プロジェクトが終わったことで社会問題の深刻化や仕事が無い人々の増加が浮き彫りになった。この報告書ではまた、この地域における将来の経済と社会の発展に関して「様々な人々による協働作業によるやる気に強く依存される」と結論付けている。シュホワプロジェクトへの強い反発で2004年11月に中止が決定した後、新しいCEOであるシェリー・ヴァンダルの下、イドロ・ケベックはエネルギー効率、水力発電、代替エネルギー開発といった自社の責務を再主張した。それ以降、イドロ・ケベックは定期的に自社が行う新たな水力発電開発において3つの基準を強調している。その3つの基準とは、プロジェクトは費用対効果を実現しなければならないこと、環境に許容的であること、地元住民の好感を得なければいけないことである。イドロ・ケベックはまた1980年代終わりより持続可能な開発を重視し、経済発展、社会的発展、環境保護の3つの原則を基にしている。2007年より持続可能性的行動情報の収集と公表を担うGlobal Reporting Initiativeに準拠している。そして、環境分野の専門家や管理職を250人雇用し、ISO 14001認証環境管理システムを実装している。
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