社会的性の決定と登録
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 00:16 UTC 版)
「性別の割り当て」の記事における「社会的性の決定と登録」の解説
性分化疾患を有する新生児を持った親に対しては、疾患に対する十分な理解が得られるような情報の提供と心理的ケアが必要とされる。新生児が非典型的な性の特徴を持つ場合や、事故などで新生児の外性器が損傷している場合、男女二元論を用いた性別の割り当てが困難な場合もあるが、多くの国では男女のいずれかに法において決定しなければならない。日本小児内分泌学会性分化委員会と厚生労働省により発表された「性分化疾患初期対応の手引き」によると、日本では性別決定が困難な場合は、後日性別が決定したときに「追完」する旨を追記した上で、名前と性別欄(父母との続柄欄)が空白(保留)の状態で出生届が受理される:31-34。現在は、様々な性分化疾患(DSDs)を診断するためには、身体所見、主要臨床検査成績、内分泌検査、CTやMRIなどの画像診断、腹腔鏡および性腺生検、染色体検査、分子遺伝学的検査などを用いて、養育上の性を医学的に決定するとされている。 ドイツでは2018年から、新生児の性別を「他」を意味する「divers」として登録できる法律が制定された。他にも、ニュージーランドやオーストリアなどで、出生届において未確定や第三の性を選択することができる:31-34。出生時に男女以外の選択肢として登録されたインターセックス児童は、性同一性が発達した際に男性、女性、もしくはその他の性を選択することとなる。これは不確かな特徴をもとに、出生時に性別が割り当てられ、将来の性同一性との不一致が生じることを防ぐ目的もある。 公的書類などにおける男女二分法について、医療社会学者の家永登は「男女の性別は事案ごとに相対的に決定すれば足りるものであり、全生活関係について全面的かつ一律にその人を『男』か『女』かに区別することが必要な場面は、実はそれほど多くない」とした:31-34。
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