省略
(省略法 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/22 02:11 UTC 版)
省略(しょうりゃく、ellipsis、ギリシャ語:έλλειψις, élleipsis)とは、文中のある要素が欠如しているが、文脈から、あるいは論理もしくは全文のパターンから、それが何かを推断かつ復旧することが可能な修辞技法のこと。省略法を用いて作られた構文を省略構文(elliptical construction)という[1][2]。
- Fire when ready.(用意ができたら火をつけて)
この文では「あなたが(you are)」が省略されている。つまり、省略しない文は「Fire when you are ready.(あなたが用意ができたら火をつけて)」になる。
省略構文は、会話の中で、内容を短縮するために使われることが多い。また、感情をより生き生きと力強く示す目的で簡潔にするためにも使われる。
- My wife and I are expecting.(妻と私は期待している) - 「子供を」が省略されている。
他にも口に出したくない言葉(冒涜的な言葉など)を避ける時にも用いられる。
脚注
- ^ What is an elliptical construction? at sil.org
- ^ Elliptical Clause at englishplus.com
関連項目
- VP省略(動詞句省略、verb phrase ellipsis)
「John can play the guitar; Mary can, too.」のように「Mary Can」の後の動詞句「play the guitar」が省略されたもの。
参考文献
外部リンク
- Elliptical clause at English Plus
- Phrases and clauses at Tameri Guide for Writers
省略法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 14:23 UTC 版)
詳細は「省略」を参照 文章や会話の一部を省略すること。西洋修辞学では、省略された要素は文脈などから推断かつ復旧することができる。内容を短縮する目的で使われることが多い。くびき語法もその一種である。 文学の技法として、余韻を残し、読者に続きを連想させる意図的な省略 (Purposeful omission) もある。専ら、省略した部分にはダッシュやリーダーが使われる。 用例 彼の暮らしぶりはとても贅沢だ。高級外車、腕時計、宝飾品、そして瀟洒な邸宅…。相手の贅沢な暮らしぶりの一例を列挙しているが、敢えて全部挙げる必要が無いため、めぼしいものだけを採り上げており、同時にその相手に対して、強い感嘆を訴えている。 あいつほどいい奴はいなかった。…なのに、なんであんな喧嘩をしたのだろう。文脈の上では、リーダを省略しても意味は通じている。しかし、敢えてリーダを入れることで、その間に主語の人物が抱いている悔恨、困惑の念を読者に訴えかける仕組みになっている。 戦争ですっかり燃え尽きた街―。―あれから数十年、あの頃を知っている者は少なくなった―。ダッシュが頻繁に用いられる例。ダッシュで被災都市の経歴、さらにそこから抱いた作者の感情全てを省略しており、より強い感情を読者に訴えるようになっている。 また、漫画や小説などでは「…」など相手の会話や吹き出しにリーダーだけが用いられることがある。これは言葉では表現しにくい感情を抽象的に表現したものである。 くびき(軛)語法の用例 皆が優勝を讃えた。監督もコーチも観衆も、そして敗れたライバルさえも。くびきとは馬車に取り付ける金具であるが、原義である Zeugma を直訳したものである。要は繰り返しとなる述語を一つに括ったもので、倒置表現となることが多い。ここを一つに括らなかった場合、 監督も優勝を讃えた。コーチも優勝を讃えた。観衆も優勝を讃えた。そして敗れたライバルさえも優勝を讃えた。と、かなりしつこい文章になるが、このような技法もある(→後述:#畳句法)
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