直後の動き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 14:59 UTC 版)
家宅捜索はOの自殺後も続けられ、犯行や自殺を仄めかすメモが次々と発見された。母親は「被害者の遺族に謝罪したい」と話していたが、自殺から3時間以上経った午後4時半近くになって捜査員からOの自殺を伝えられ、「警察が殺したんや」と泣き出した。母親に息子の死を伏せて家宅捜索を続行したことに対しては、のちに強い批判が起り、後述の三枝刑事部長は「速やかに伝えるべきだった。遺族には本当に申し訳ないことをした」として、11日に母親へ「報告が遅れて申し訳なかった」と謝罪した。 また捜査本部はこの際、住民からの通報で駆け付けた、現場の管轄である伏見署員に、Oの身元を教えずに立ち去っている。伏見署員は既に現場にいた捜査本部員に「この男は事件に関係があるのか。変死事案として伏見署が検視するので、身元を教えてほしい」と尋ねたが、「身元は言えない」と回答された。そのため伏見署は「氏名不詳」として裁判所に司法解剖の許可を求めたが、Oの逮捕状を発付した裁判官から「氏名不詳はおかしい」との指摘を受け、伏見署幹部が捜査本部へ電話で問いただしたことで、初めてOであると判明。結局、6日未明までかけて手続きをやり直すこととなり、府警の連携の悪さについて批判の声が上がった。 午後4時頃、捜査員はAの遺族宅を訪れ、Oの自殺について報告、謝罪した。犯人の死を知ったAの両親は、当初愕然としたものの、犯人が死刑になる可能性の殆どない、長い裁判を苦しむことがなくなったという事実に、「Aが向こうの世界から、私たちを苦しまんようにしてくれたんやろか」という感を抱いた旨を記している。 午後7時から、京都府警の三枝守刑事部長は記者会見を開き、「最善を尽くしたと思う。問題はなかった」「男が逃走する恐れは認識していたが、あまりに突然でやむを得なかった」と述べた。だが22日に行われた記者会見では捜査ミスを認め、自宅の捜索をより早く実施すべきことを検討すべきだった、説得が5時間にも及び緊張感が続かなかった、という点を挙げ、「今後の捜査の教訓にしたい」とした。 8日の午後7時半から、捜査本部は日野小の体育館でも保護者を対象に経過説明会を開き、約300人が参加している。ここで捜査本部は「二月五日に犯人と見られる男が自殺した。残念な結果について改めておわびする」と経緯を説明し謝罪すると同時に、「二次犯罪の可能性はない」として、事実上の安全宣言を行った。これにより事件以来の厳戒態勢は、ようやく解かれることとなった。
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