異星人論の除外による事件の説明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/03 07:44 UTC 版)
「ロズウェル・リポート」の記事における「異星人論の除外による事件の説明」の解説
集められた証拠に基づき、1947年の事件の正体は、飛行機の墜落、ミサイルの墜落、核事故、あるいは地球外の乗り物の回収ではなかった、と報告は結論づけた。明らかに、後者の結論は説明の鍵となるものだった。「……調査では、軍のある秘密作戦や他の何かにおいて、ロズウェル近辺に宇宙船が墜落した、あるいは異星人の乗員がそこから回収されたという、絶対にいかなる種類の[下線は原文]証拠も示されない」(p.20)。当時の軍の主要な目的は、もっと地に足のついた何かに向けられていた、と報告は記している: 「全ての報告は……懸念の焦点は異星人、敵国やその他にではなく、ソビエト連邦に合わせられていたことを示す」。 一部の人たちがこの報告自体を「隠蔽」の一部だと決めつけ、おそらくロズウェルかその近くで異星人が回収されたことを裏づける証拠は隠されたままであるか、あるいは破壊されたのだ、と主張することは報告も認めている。これは反証するのがほとんど不可能な主張である。しかし、そういった影響力の強いできごとの隠蔽作戦には、大きな活動が確実に関連するはずだが、そういった活動があったことを示す証拠もまた完全に欠けている。これは、何かが隠されていたのだという主張の根拠が極めて薄弱であることを示している。「意図が未知である異星人の乗り物が、アメリカ領土に入り込んだ場合に必然的に生成されるだろう、警告、警戒態勢の告知、あるいはより高度な作戦活動が報告されたことを示すものはない」。報告はまた、数人の特定の高位の将官が、問題の時期のあいだに異星人の回収と隠蔽をとりまく活動に従事したという主張を、彼らの実際の文書に記録された活動を追跡することで論駁している。 事件の原因として異星人の回収を除外する中で、報告は次のように結論づけた: 「……人類の歴史において"分水嶺となる事件"の一つである何らかのできごとが起こったのだとしたら、アメリカ軍は確実に、平然と、鷹揚とした態度で応対する。この事例では、軍はロズウェルだけでなく全米の、何千人もの兵士と航空兵に、平然と活動し、普段どおりの勤務を行い、報告するふりをさせ、怪しい性質の事務書類は絶対に作成しないよう命令しなくてはならなかっただろう。同時に20年かそれ以上の未来において、大衆に政府文書を調査し探求するという大きな裁量を与える、広範囲な情報公開法が利用可能となることを見越さなくてはならなかっただろう。記録はこれらのどれもが起きていなかったことを示している(あるいはそれが起こったとすれば、それはとても効果的で堅固なセキュリティシステムによって制御されたものである。アメリカでもその他の国でも、その後誰もそのようなシステムを複製できなかった。そういったシステムが当時に有効であったとしたら、それはアメリカの原子力機密をソビエトから防護するのにも使われただろう。そして、それが明白に事実でないことは歴史が示している)。調査された記録は、そういった洗練された効果的なセキュリティシステムが存在しなかったことを確認する」(pp.21-22)。
※この「異星人論の除外による事件の説明」の解説は、「ロズウェル・リポート」の解説の一部です。
「異星人論の除外による事件の説明」を含む「ロズウェル・リポート」の記事については、「ロズウェル・リポート」の概要を参照ください。
- 異星人論の除外による事件の説明のページへのリンク