甚大な被害をもたらした原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 02:57 UTC 版)
「平成3年台風第19号」の記事における「甚大な被害をもたらした原因」の解説
台風19号が甚大な被害をもたらした主な原因について、次の点が挙げられる。まず、横綱級の勢力で日本列島に接近し、上陸したこと。次に、暴風域の大きさが750kmと極めて巨大であったために、ほぼ全国を暴風域に巻き込んだこと。1977年以降では8番目に大きい暴風域であったと同時に、日本に接近・上陸した台風の中では、史上最大の暴風域であった。 この台風はほとんど海上を通ったため、勢力がほとんど衰えないまま日本海を通過したこと。(陸上を通ると、台風のエネルギー源となる水蒸気の供給が絶えるため、勢力が衰える)「韋駄天台風」となったために移動速度が非常に速く、雨や風が一気に強くなったこと。そのため、無風状態から1~2時間で大嵐がやってきて、台風対策が間に合わなかったケースが多かった。そして、日本列島の大部分が台風の右側に入ったこと。台風の右側は台風自身の風に台風の移動速度が加えられ、風が強くなる。例えば中心風速40m/sの台風が108km/h(30m/s)で進んでいた場合、中心のすぐ右側では風速が70m/sになる。さらには台風に慣れていない東北や北海道を直撃したこと。北海道に接近する台風は1年に平均1個で、上陸する台風は数年に1回の割合である。 暴風域が大きい台風 (直径順)順位名称国際名年暴風域最大直径(nm)(km)1 昭和59年台風第22号 Vanessa 1984年 500 950 平成元年台風第28号 Forrest 1989年 3 昭和56年台風第24号 Gay 1981年 450 850 昭和58年台風第5号 Abby 1983年 昭和62年台風第20号 Lynn 1987年 平成9年台風第13号 Winnie 1997年 7 昭和55年台風第18号 Vernon 1980年 425 800 8 平成3年台風第19号 Mireille 1991年 420 平成10年台風第10号 Zeb 1998年 10 昭和54年台風第20号 Tip 1979年 400 750 昭和57年台風第9号 Andy 1982年 昭和57年台風第10号 Bess 昭和57年台風第23号 Owen 昭和59年台風第10号 Holly 1984年 昭和60年台風第5号 Hal 1985年 昭和60年台風第20号 Brenda 平成元年台風第25号 Colleen 1989年 平成8年台風第24号 Dale 1996年
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