特徴的な所蔵資料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 14:18 UTC 版)
帯広市図書館では郷土資料の収集・保存を行っており、吉田巖遺稿資料や中城ふみ子に関する資料など、学術的・文化的に貴重なものも多く含まれる。 吉田巖遺稿資料 先述(「郷土文化や文芸振興に関する取り組み」)の通り、吉田が遺したアイヌの文化や歴史に関する「遺稿資料」は、遺族の寄贈により帯広市図書館が保管している。この「遺稿資料」は、フィールドノートのような性格をもつ日記をはじめとする、ノート、草稿などの文書類のほか、図書、雑誌、書簡、写真などを含み、「アイヌの文化と歴史に関する膨大かつ重厚な基礎資料群」とされる。また、吉田は、日本の統治下であった台湾を視察旅行で訪れており、「遺稿資料」の中には、視察に関する手記、書簡類、視察先で入手した学校資料なども含まれ、国内外の他機関では確認できない貴重な資料もある。「遺稿資料」の中には、アイヌの生徒の作品や、生徒が家庭での伝統文化・習俗の様子などを記した提出物なども含まれており、教育実践や生活実態に関する貴重な記録になっていると同時に、著作権やプライバシー、個人の尊厳に関わる問題を含むものも少なくないため、資料の適切な活用のために、閲覧や利用に際して慎重な配慮が求められている。「遺稿資料」のほとんどは2005年までにマイクロフィルムに撮影され、マイクロフィルムあるいは原資料のコピー製本を閲覧利用できる。 中城ふみ子関係資料 本館の2階には「中城ふみ子資料室」が設けられ、中城に関わる資料が展示されている。帯広市図書館が保存している資料には、中城の日記、手帳、創作ノート、原稿、書簡のほか、中城の幼少期からの写真や中城が愛用した品などがある。また、確認されている最初期の短歌作品とされる、中城が高校生時代に詠んだ短歌が掲載された帯広高等女学校(現帯広三条高校)の同窓会会報誌も所蔵している。資料の一部は画像化され、公式サイトで公開されている。 上記の他に、帯広市図書館では、北海道・十勝にゆかりのある作家の作品や、帯広や道内の企業情報・統計資料などの収集・保存も行っている。
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