特徴的な手法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 07:51 UTC 版)
「ラース・フォン・トリアー」の記事における「特徴的な手法」の解説
トリアーは「映画は靴の中の小石でなければならない」と語っており、独創的なものを作り上げるために映画監督が行うべきこととして、しばしば映画製作の工程に制約を設ける形で、他と異なったスタイルを用いるようにしなければならないということを主張している。有名なのは映画における「純潔の誓い」ともいうべきドグマ95である。トリアーはこの運動に深く関わっていたにもかかわらず、彼の映画で完全にドグマ95に従って作られたのは『イディオッツ』(1998年)だけである。他にも『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000年)では「現実」のシーンと「夢」のミュージカルシーンとの間で劇的な効果を伴った配色の違いやカメラ技術の違いが設けられている。また、『ドッグヴィル』(2003年)や『マンダレイ』(2005年)では録音ステージの床に書かれた線で表現された壁もないセット上の町ですべてが撮影されている。 トリアーはしばしばデジタル撮影技術を取り入れてカメラを自分自身で操作し、テイク間の停止を設けずに連続的に役者の演技を撮る撮影スタイルを行っている。また『ドッグヴィル』ではメソッド演技法に基づき、役者たちに何時間もの間役に成り切らせて撮影を行っている。これらの方法は『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のビョークをはじめ、役者達に大きなストレスを与えることにもなった。トリアーはウド・キアー、ジャン=マルク・バール、ステラン・スカルスガルド、近年ではウィレム・デフォーやシャルロット・ゲンズブールら何人かの俳優を繰り返し起用している。 トリアーはカール・テオドア・ドライヤー、特に『The Night Porter』から大きな影響を受けている。他にもトリアーに影響を与えたものとして『ラース・フォン・トリアーの5つの挑戦』(2003年)の中で5度に渡りリメイクされたヨルゲン・レスの短編映画『The Perfect Human』がある。『アンチクライスト』(2009年)はアンドレイ・タルコフスキーに捧げられた。
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