ドグマ95とは? わかりやすく解説

ドグマ95

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/01 22:25 UTC 版)

ドグマ95Dogme95)は、デンマークにおける映画運動である。1995年ラース・フォン・トリアーらによって始められた。ドグマ95には「純潔の誓い」と呼ばれる、映画を製作する上で10個の重要なルールがある。2008年現在まで270作を数える。

概要

「純潔の誓い」

  1. 撮影はすべてロケーション撮影によること。スタジオのセット撮影を禁じる。
  2. 映像と関係のないところで作られた音(効果音など)をのせてはならない。
  3. カメラは必ず手持ちによること。
  4. 映画はカラーであること。照明効果は禁止。
  5. 光学合成やフィルターを禁止する。
  6. 表面的なアクションは許されない(殺人、武器の使用などは起きてはならない)。
  7. 時間的、地理的な乖離は許されない(つまり今、ここで起こっていることしか描いてはいけない。回想シーンなどの禁止である)。
  8. ジャンル映画を禁止する。
  9. 最終的なフォーマットは35mmフィルムであること。
  10. 監督の名前はスタッフロールなどにクレジットしてはいけない。

システム

「純潔の誓い」のすべてが守られなければドグマ映画として認定されないという訳ではない。例えば『イディオッツ』ではBGMが使われており、『セレブレーション』では窓にカバーをかけて撮影されたシーンがあるという。ドグマに関しては検証のプロセスはなく、映画監督がドグマのサイトからフォームを送り、

I truly believe that the film mentioned above has obeyed all Dogme95 rules as stated in the Vow of Chastity.
ドグマ95のルールに従い、純潔の誓いを宣言する

というチェックボックスをチェックすることになっている。

受賞

2008年のヨーロッパ映画賞で、映画界に与えた貢献が讃えられ、ラース・フォン・トリアー、トマス・ヴィンターベア、ソーレン・クラーク=ヤコブセン、クリスチャン・レヴリングの4名が世界的貢献賞を受賞した。

日本公開作品

外部リンク


ドグマ95

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 07:51 UTC 版)

ラース・フォン・トリアー」の記事における「ドグマ95」の解説

1995年トリアー母親死去遺言としてトリアー遺伝上の父は彼女の夫ではなく、元上司カトリック音楽家家系のフリッツ・ミカエル・ハートマンという男性であり、「芸術家遺伝子のため」に彼を選んだことが明らかとなったその後何度かの気まずい会見後でハートマントリアーに会うことを拒否するようになった。この暴露の後、トリアー育て父との関係を「消去」しようとし、一時期カトリック入信した。現在はカトリック破門されてはいないものの無神論立場取っている。映画においても「正直さ」を大きく扱った作品製作するうになる同年トリアートマス・ヴィンターベアとともに技術的なミニマリズム原則であるドグマ95を発表した。この時点では多く批評家この方法論急進的すぎて成功しないだろうと考えており、実際にこのドグマ従った映画発表されるまでにはしばらく時間かかった1996年、『奇跡の海』を発表第49回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞した主演エミリー・ワトソンアカデミー主演女優賞ノミネートされた。同作厳密にはドグマ95には基づいていないもの、粒状間のある画面手持ちカメラ主体撮影ドグマ行く先示していた。同作その後の『イディオッツ』(1998年)、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000年)と合わせ困難な状況下でも純粋な心を保ち続け女性主人公にした「黄金の心三部作」を形成する。 また同年には、コペンハーゲン53人の役者使った実験的な劇『Psychomobile 1 – The World Clock』を製作した。このプロジェクト記録したドキュメンタリーがジェスパー・ジャーギルによって製作され2000年に『De Udstillede(展覧物)』として発表された。 1998年にはドグマ95に完全に従って製作された『イディオッツ』を発表第51回カンヌ国際映画祭出品された際、トリアーは旅嫌いに関わらず陸路カンヌまで出かけた。デンマーク映画界への国際的な関心高めたドグマ95によりトリアー影響多く作家に及ぶことになった

※この「ドグマ95」の解説は、「ラース・フォン・トリアー」の解説の一部です。
「ドグマ95」を含む「ラース・フォン・トリアー」の記事については、「ラース・フォン・トリアー」の概要を参照ください。

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