火星怪獣 ナメゴン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 23:35 UTC 版)
「ウルトラQの登場怪獣」の記事における「火星怪獣 ナメゴン」の解説
第3話「宇宙からの贈りもの」に登場。 ナメクジに似た姿の怪獣。半年前に地表撮影を目的として打ち上げられて火星へ到達した後に消息を絶ち、失敗に終わったと思われていた火星探査ロケットが、突然何者かによって地球に送り返されて海中に落下し、その中にあったカプセル内からは金色の球体が2個発見されるが、それはナメゴンの卵であった。卵は宇宙開発局の金庫に保管されたが、金塊と誤解したギャングに奪われる。 そのうち1個は、万城目とギャングの格闘を経てセスナ機で逃亡したギャングが向かった離島・大蔵島の洞窟内の温泉熱で孵化し、長く飛び出した両目から生物を硬直死させる音符状の怪光線を放ってギャングを殺害する。その後は万城目らにも迫ったところで海中に落ちて一瞬で溶解したため、塩分が弱点であることが判明した。 もう1個は万城目とギャングの格闘中に落ちた際、状況を知らない一平に拾われてチェーンを付けられ、ネックレスとして由利子に与えられてしまう。1体目のナメゴンの事件が解決した後、一ノ谷博士の邸宅で由利子がコーヒーを作っていた時、コーヒーを温めていたアルコールランプの火に反応して巨大化し、万城目に投げ捨てられた邸宅の庭で孵化した。「火星人が地球人のやみくもな宇宙開発に対する警告としてナメゴンを送り込んだ」と推測した一ノ谷博士が本多助手に「塩水を用意しろ」と命じる場面で本編は終わるが、その際に「次に火星から送られてくる怪獣は、海水を飲んでますます巨大になり、強靭になる恐るべき怪物に違いない」という旨のナレーションが付される。 劇中では単に「火星怪獣」と呼称している。 鳴き声は東宝怪獣のバラゴンの流用。 造型は佐々木明。ラテックス特有の淡いアメ色に赤茶系を吹き付けた彩色となっており、湿気を出すために撮影のたびに霧吹きで水を表皮に吹き付けている。造形物は大小2種類造られた。移動ギミックは東宝映画『モスラ対ゴジラ』『三大怪獣 地球最大の決戦』の幼虫モスラのものが流用されている。撮影用プロップのうち、眼球部分のみ現存している。 終盤の、卵が膨らむシーンは風船で表現された。 『総天然色ウルトラQ』では、着色された資料やカラー写真が残っていなかったため、現存する目玉に付着していた塗料や実際のナメクジの色をもとに着色された。放送当時のソノシートのイラストなども参考にされた。 最初期に制作された第3話はTBSでの検討用素材としても用いられ、ナメゴンが好評であったため、作品全体が怪獣路線になったとされる。
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