湿式の処理方式(水洗式便所)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 18:18 UTC 版)
「便所」の記事における「湿式の処理方式(水洗式便所)」の解説
水洗式便所は水勢により汚物を洗浄して衛生的に処分するための機能を持っている。水洗式便器は、水道管を便器の給水口に接続して、流水により便器内の排泄物を洗浄する。トイレのうち注水式水洗トイレ(2〜3リットルの水を使用)や水流式水洗トイレは湿式、それ以外の方式は乾式に分類される。なお、下水道等の整備が十分でない地域において、非水洗便所よりも衛生的であり、より水洗式便所に近い実用性が得られるため設置される便所に簡易水洗式便所がある。 湿式+個別処理腐敗槽(セプティック・タンク):し尿を住宅やオフィスなどで個別処理する方式。世界的に利用されている伝統的な個別処理方法である。腐敗槽のBOD除去率は50%程度で日本で開発された浄化槽に比べると処理性能は低い。 浄化槽:日本などで利用されている個別処理方式システムの一種。し尿及び雑排水(生活に伴い発生する汚水:生活排水)を処理し、終末処理下水道以外に放流するための設備である。汚水の処理には、みなし浄化槽および小規模槽については、「沈殿」による固液分離機能と嫌気性と好気性の微生物の浄化作用を利用している。中・大規模槽については、汚水中に含まれる固形分の「除渣」(じょさ)機能と「流量調整」機能、および好気性の微生物の浄化作用および「沈澱」による固液分離を利用している。また、一部の浄化槽では、「ろ過」及び「凝集」による物理的処理および「脱窒機能」を用いて処理水質の高度化を図っているものもある。 ABR(Anaerobic Baffled Reactor):南アフリカやブラジルで開発が進められている腐敗槽を改良した処理方式。 湿式+集合処理下水道:下水道は、主に都市部の雨水および汚水を、地下水路などで集めたのち公共用水域へ排出するための施設・設備の集合体であり、多くは浄化などの水処理を行う。雨水としては、気象学における降水および、いったん降り積もった雪が気温の上昇などで融けた融雪水も含むが、いずれも路面など地表にあるものが対象で、河川水や地下水となったものは除く。汚水としては、水洗式便所からのし尿や、家庭における調理・洗濯で生じる生活排水と、商店やホテル・町工場から大工場にいたる事業場からの産業排水(耕作は除く)などがある。 このほか個別処理や小集落の集合処理で適用されている技術がいくつかある。 酸化池(ラグーン):直列につなげた水深の異なる複数の池に水を流しながら曝気で浄化する処理方式。 ウエットランド(人工湿地):土壌接触や水生植物のアシやホテイアオイなどを利用してアシやホテイアオイなどを利用して汚濁物質を除去する処理方式。
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