湯浅克衛とは? わかりやすく解説

湯浅克衛

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/12 23:10 UTC 版)

湯浅 克衛(ゆあさ かつえ、1910年2月26日 - 1982年3月15日)は、日本の小説家

香川県生まれ。本名・猛。小中学校時代を朝鮮で過ごし、第一早稲田高等学院中退。1934年に「カンナニ」が『改造』懸賞小説の佳作となり、1935年に作家デビュー[1]。1936年、本庄陸男平林彪吾、田辺耕一郎、伊藤整井上友一郎らと第二次『現実』を創刊、ついで武田麟太郎高見順らの『人民文庫』に加わりプロレタリア文学に傾く。その後植民地小説を書き、戦後はブラジル移民を主題とした。京城中学校時代の同級生に中島敦がいる[1]

著書

  • 移民 版画荘 1937 (版画荘文庫)
  • 先駆移民 新潮社 1939
  • 莨 赤塚書房 1939
  • 葉山桃子 新潮社 1939 (土の文学叢書)
  • 青い上衣 昭和書房 1940
  • 怒濤の譜 河出書房 1940
  • 遥かなる地平 東亜公論社 1940
  • 半島の朝 三教書院 1942
  • 民族の緯糸 育生社弘道閣 1942 (新世代叢書)
  • 青空何処まで 東亜公論社 1942
  • 二つなき太陽のもとに 地平社 1942
  • 新生 山根書房 1943
  • 白系露人村 金星堂 1944
  • 鴨緑江 晴南社 1944
  • カンナニ 大日本雄弁会講談社 1946
  • 初恋 世界社 1947
  • 舞姫記 崔承喜の半生 文明社出版部 1947
  • 連翹 青年論壇社 1947
  • 三平物語 万有社 1948
  • トルストイ 人間愛の文豪 偕成社 1952 (偉人物語文庫)
  • 対馬 出版東京 1952
  • アマゾンの国ブラジル 東西文明社 1956 (少年少女基本学校図書全集)
  • ラテン・アメリカへの招待 中南米移住読本 日本週報社 1958
  • 南米への旅 雪華社 1961
  • カンナニ 湯浅克衛植民地小説集 池田浩士インパクト出版会 1995.3

脚注

出典

  1. ^ a b 「I 北方行 6」(渡邊 2005, pp. 46–54)

参考文献

関連項目

外部リンク


湯浅克衛

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中島敦」の記事における「湯浅克衛」の解説

小説家京城中学校時代同級生当時湯浅父親朝鮮警察署勤務し一家水原住んでいた。そのため、湯浅綽名は「水原豚」(スイゲン・ピッグ)だった。湯浅回想「敦と私」(ツシタラ 第三1960年6月)の中で、自身数学授業中急進的な総合雑誌改造』を読んで停学言い渡された際、級長中島敦教員室飛び込んできて、「水原豚を処罰してはいけません。『改造』を読んでいたからと云って処罰したら、天下京中名誉にかかわります」と仲裁してくれたおかげで停学処分免れて図書館監禁という軽い罰で済んだ話を語っている。京城中学校以後2人の間に交流はなかったという。湯浅1934年昭和9年)に、朝鮮貴族邸の請願巡査息子12歳日本人少年)と、その邸の門番の娘・カンナニ(14歳朝鮮人少女)の純愛描いた植民地小説「カンナニ」を『改造懸賞小説応募し佳作となったが、雑誌側が検閲をおそれ、後半削除した上で翌年の『文学評論』に掲載された。戦後湯浅会った同級生によると、中島の話となったとき湯浅は、「もっと早く俺のところに来ておれば」と言っていたという。

※この「湯浅克衛」の解説は、「中島敦」の解説の一部です。
「湯浅克衛」を含む「中島敦」の記事については、「中島敦」の概要を参照ください。

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