総合雑誌とは? わかりやすく解説

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そうごう‐ざっし〔ソウガフ‐〕【総合雑誌】

読み方:そうごうざっし

思想・政治・経済・文芸・科学など、さまざまな分野の論文・評論や創作などを総合的に掲載する雑誌。言論誌。オピニオン誌。

[補説] 日本では特に「国民之友」「中央公論」「太陽」「改造」「解放」「我等」「文芸春秋」「展望」などをさす。


総合雑誌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/08/30 00:05 UTC 版)

総合雑誌(そうごうざっし)とは、政治、経済、社会、文化全般についての評論などを掲載する雑誌。いわゆる「論壇」を構成する雑誌として扱われてきた事情もあり、オピニオン誌も含めてこの範囲に入れることが多い。

日本

日本では、総合的な内容を扱う週刊誌も存在するが、それらは〈総合週刊誌〉に分類され、以下では主に月刊誌の総合雑誌について記述する。

日本において総合雑誌が意味を持ち始めたのは、1920年代である。このころ、明治中期創刊の『中央公論』とそれに対抗する形で1919年(大正8年)に創刊された『改造』が、論壇のみならず文壇の形成にも大きく寄与し、日本のオピニオンリーダーとしての発信舞台となった。当初は文芸雑誌として出発した『文藝春秋』や、後発の『日本評論』(当初の誌名は『経済往来』、版元は後の日本評論社)も、1930年代には重要な雑誌に成長した。『出版年鑑』では、1934年(昭和8年)版から、『改造』『中央公論』『文藝春秋』『経済往来』の4誌を、〈総合雑誌〉の括りに入れて記述し始めた[1]。

総合雑誌はその内容も以前の雑誌とは異なっており、ジャーナリズムとは分け隔っていたアカデミズムの学者の論考が掲載されるようになったり、他分野の研究者が文学について論じたり、その逆に文学者が社会問題を論じたりするなど、総合雑誌の誌面は分野を横断する内容となっていった[2]。

第二次世界大戦後もその傾向は続き、昭和20年代に『改造』『日本評論』は休刊したが、新たに戦後創刊された『世界』や『展望』が加わり、世論形成において大きな役割を果たした。知識人のみならず、広く学生などの若者たちも読者だったが、1970年前後を境に次第に若者の総合誌離れが進んだ。また掲載される文学作品も、時代小説などのエンターテインメント系の作品が主となり、有力な作品は文芸雑誌に掲載されるようになったことも、衰退に拍車を掛けた。また『諸君!』『正論』などのいわゆる保守系オピニオン誌が独立して刊行されるようになったことも、総合雑誌の意味を薄める方向に働いた。

発行部数の減少による採算割れにもかかわらず前述の雑誌を始めとして、幾つもの雑誌が存続しており、少ない発行部数から影響力は限定されるが、市場の論理を超えた「言論の場」を形成している。

清水幾太郎は、総合雑誌の論文とそれを批評する論壇時評について以下述べている[3]。

(総合雑誌の言論は)リアリティと遠く離れたペダンティックな理想論か、社会主義に関するメソメソした弁明が多い。そうでなければ、文字が実物でなく、シンボルであることさえ忘れて、激烈な文字を連ねさえすれば、それで現実に激烈な変化が生ずると思い込んだ、スポーツ新聞のプロレス記事のような急進的大文章である。(中略)毎月、多くの新聞に載る「論壇時評」(中略)を本気で読むのは、当の筆者と、彼に褒められている人間くらいのものであろう。考えて茲に至ると、一目でパッと判る漫画と、他人は誰も読まぬ言論とは、背中合わせの共犯者のように見える。 — 「時評」『東京新聞』、1979年10月1日

21世紀になって、『現代』『論座』『諸君!』『自由』『新潮45』などの休刊が続き、今後を危ぶむ意見もうまれている。この種の総合雑誌は、実売部数5~6万部が採算ラインとされ、『論座』は実売1万部以下の時もあり、『現代』も実売4万部を切ることがあり、採算ラインを大きく下回っていたという[4]。

一方で、リベラル系の『地平』(地平社)が2024年6月に創刊され[5]、新規参入の動きもある。

日本の総合誌一覧

継続刊行

誌名 発行所 創刊年 購読料 発売日 備考
週刊東洋経済 東洋経済新報社 1895年(明治28年) 950円   1961年(昭和36年)までの誌名は「東洋経済新報」。
中央公論 中央公論新社 1887年(明治20年) 900円 毎月10日 当初は誌名は『反省会雑誌』。1899年に『中央公論』と改題した。
文藝春秋 文藝春秋 1923年(大正12年) 750円 毎月10日
世界 岩波書店 1946年(昭和21年) 780円 毎月7日
前衛 日本共産党中央委員会 1946年(昭和21年) 744円 毎月1日
潮 潮出版社 1952年(昭和27年) 770円 毎月5日
ZAITEN 株式会社財界展望新社 1956年(昭和31年) 1年13,200円 毎月2日 当初の誌名は『財界展望』
議会と自治体 日本共産党中央委員会 1959年(昭和34年) 794円 当初は「議会と共産党」として創刊し、1962年に「議会と自治体」に改題。1980年に「暮らしと政治」に改題するが、1993年に廃刊。1998年に「議会と自治体」として復刊。
月刊学習 日本共産党中央委員会 1961年(昭和36年) 387円 毎月1日  
経済 新日本出版社 1962年(昭和37年) 1049円 毎月5日
月刊創 創出版 1971年(昭和46年) 600円 毎月7日
正論 産経新聞 1973年(昭和48年) 740円 毎月1日 1973年(昭和48年)6月25日付の『サンケイ新聞』(現・産経新聞)朝刊から、論説面に「正論」欄が新設された[6]。
選択 選択出版 1975年(昭和50年) 1年13,200円 毎月1日  
VOICE PHP研究所 1977年(昭和52年) 680円 毎月10日
致知 致知出版社 1978年(昭和53年) 毎月1日
女性のひろば 日本共産党中央委員会 1979年(昭和54年) 316円
WEDGE ウェッジ社 1989年(平成元年) 700円 毎月20日
THEMIS 株式会社テーミス 1992年(平成4年) 1250円 毎月1日 1989年から1991年にかけては学習研究社より『週刊テーミス』として発行。
週刊金曜日 株式会社金曜日 1993年(平成5年) 780円 毎週金曜
月刊日本 ケイアンドケイプレス社 1997年(平成9年) 650円 毎月22日
サイゾー サイゾー 1999年(平成11年) 790円 2022年4・5月号(2023年4月18日発売)から隔月刊化、2023年8月号(2023年6月19日発売)より季刊誌化。
リベラルタイム リベラルタイム出版社 2001年(平成13年) 880円 毎月3日 2003年まではタイムライフ出版社
WiLL ワック・マガジンズ 2004年(平成16年) 780円 毎月26日 創刊号は「2005年1月号」
紙の爆弾 鹿砦社 2005年(平成17年) 500円 毎月7日
ザ・フナイ ビジネス社 2007年(平成19年) 1650円 毎月3日
Hanada 飛鳥新社 2016年(平成28年) 820円 毎月26日
表現者クライテリオン 啓文社 2018年(平成30年) 1362円 隔月刊 2005年7月号から2018年1月号までは『表現者』
地平 地平社 2024年(令和6年) 900円 毎月5日
時局 時局社 880円 毎月7日  
祖国と青年 日本青年協議会 1年6000円 毎月1日

休刊・廃刊

誌名 発行所 創刊 休刊・廃刊 備考
国民之友 民友社 1887年(明治20年) 1898年(明治31年)
文 金港堂 1888年(明治21年) 1890年(明治23年) 創刊号の論者は添田壽一、有賀長雄、菅了法[7]。政教社メンバーからの寄稿も少なくない。
日本 (新聞) 日本新聞社(初代) 1888年(明治21年) 1914年(大正3年) 新聞であったが再創刊・休刊ののち雑誌となった。
日本人、亜細亜
日本及日本人
政教社 1925年(大正14年) 1945年(昭和20年)
日本新聞 日本新聞社(1925年) 1889年(明治22年) 1935年(昭和10年) 鉄道省(大臣小川平吉)が再創刊した新聞の「日本」。鉄道省廃止後は後身会社(JR東海)の雑誌Wedgeとなった。
国本 国本社 1890年(明治23年) 1935年(昭和10年) 創刊者は平沼騏一郎(検事総長)。
太陽 博文館 1895年(明治28年) 1928年(昭和3年)
中外 中外社 1917年(大正6年) 1921年(大正10年)
改造 改造社 1919年(大正8年) 1955年(昭和30年) 1944年に1度廃刊となるが、1946年に復刊。
解放 大鐙閣 1919年(大正8年) 不明 関東大震災で出版社が全焼して事実上倒産したことにより実質上の廃刊となる。1925年に復刊したが、たびたび動向が不詳である。
展望 筑摩書房 1946年(昭和21年) 1978年(昭和53年) 1951年に休刊するが、1964年に復刊。
新論 新論社 1955年(昭和30年) 1956年(昭和31年)
自由 自由社 1959年(昭和34年) 2009年(平成21年)
文化評論 新日本出版社 1961年(昭和36年) 1993年(平成5年) 1976年までは日本共産党中央委員会が発行元
月刊現代 講談社 1966年(昭和41年) 2008年(平成20年) 当初の誌名は『現代』。2002年から誌名を『月刊現代』と改めた。
諸君! 文藝春秋 1969年(昭和44年) 2009年(平成21年)
終末から 筑摩書房 1973年(昭和48年) 1974年(昭和49年)
PL 芸術生活社 1974年(昭和49年) 2025年(令和7年) 2014年に『自己表現』を吸収
プラズマ 芸術生活社 1982年(昭和57年) 2025年(令和7年)
新潮45 新潮社 1982年(昭和57年) 2018年(平成30年)
発言者 (雑誌) 秀明出版会 1994年(平成6年) 2005年(平成17年) 創刊号から64号までは西部邁事務所が出版
論座 朝日新聞出版 1995年(平成7年) 2008年(平成20年) 当初の発行元は朝日新聞社
サブラ 小学館 1999年(平成11年) 2010年(平成22年)
情況 情況出版 1968年(昭和43年) 2026年(令和8年) 1500円 季刊

脚注

  1. ↑ 大澤聡『批評メディア論』(岩波書店、2015年)p.34
  2. ↑ 大澤聡:「編輯」と「綜合」──研究領域としての雑誌メディア/吉田則昭・岡田章子編『雑誌メディアの文化史―変貌する戦後パラダイム』(森話社、2012年)所収
  3. ↑ 竹内 2012, p. 302.
  4. ↑ 『週刊エコノミスト』2008年10月14日 66頁
  5. ↑ 地平社は、 総合月刊誌『地平』を創刊します。6月5日より全国書店にて発売開始! ジャーナリズム×アカデミズム×書評 株式会社 地平社/PR TIMES (2024年6月3日)2024年10月14日閲覧
  6. ↑ 産経正論 Autumn 創刊号(1号)、鹿内信隆「創刊によせて」
  7. ↑ 国会図書館デジタルコレクション『文』 。ウィキソース『文』。

参考文献

関連項目


総合雑誌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 09:22 UTC 版)

「エロ本」の記事における「総合雑誌」の解説

総合雑誌には社会的な情報を主に扱った一般誌があるが、その中にも官能小説などエロ本的コンテンツを含む場合がある。雑誌によってはその成分が随分多くて、エロ本と言った方がよい例がある。劇画系の漫画が載る例も多い。逆にヌード写真などを中心にしながらもより幅広い話題をも含むプレイボーイのような例もある。

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