洋菓子の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 09:51 UTC 版)
洋菓子の種類は、伝統的にパティスリー(仏:pâtisserie)、コンフィズリー(仏:confiserie)、グラスリー(仏:glacerie)といったかたちで分類される。パティスリーは練り粉菓子の意で、小麦粉、卵、牛乳、砂糖などを主原料として各種の製法で生地を作り、クリームやジャムなどを添加して仕上げるものである。具体的にはケーキ、パイ、タルト、プディング、クレープ、シュークリーム、ビスケットといったものが含まれる。また小麦粉を使うものではないが、アーモンドやヘーゼルナッツから生地を作るマカロン、卵白生地のメレンゲ、デザート菓子ともいわれるムース、ゼリー、ババロア、カスタードプディングなどの冷菓もパティスリーとして扱われている。 コンフィズリーは砂糖菓子の意で、砂糖を主原料とする菓子や、砂糖の特性を生かして作られる菓子類である。具体的にはドロップ、ヌガー、キャラメル、マシュマロなどのキャンディ類や、チューインガム類、チョコレート類、飴掛けしたナッツやフルーツ、マロングラッセなどの砂糖漬け果実などが含まれ、現代では工場生産されるものがほとんどである。なおチョコレートはショコラトリ―(仏:chocolaterie)として独立した一部門とすることもある。グラスリーは氷菓の意で、アイスクリーム、シャーベットなどの凍らせて食べる菓子である。 「パティスリー」「コンフィズリー」といった言葉は、それぞれこれらの菓子を扱う菓子店を指す用語でもある。ヨーロッパでは18世紀にコンフィズリーがパティスリーから分離し、独立した業種となった。これらのほかに洋菓子に属するものとして、主にアメリカ合衆国で発達したスナック菓子(英:snack)がある。穀類を原料として塩辛い味付けをする軽食替わりの菓子で、ポテトチップス、ポップコーンなどのものである。とはいえ、現代の日常日本語ではスナック菓子とは言われず、甘くない塩味のものは単にスナックと呼ばれる。 日本では和菓子と同様、保存性の観点から菓子の水分含有量にしたがって生菓子、半生菓子、干菓子という形に分類されることも多い。生菓子は加熱していない菓子のことではなく、水分の多い菓子のことで、おおむね30%以上の水分を持つ菓子が該当する。ショートケーキやパウンドケーキ、シュークリーム、ゼリー、ババロアなど、パティスリーの多くは生菓子であり、「パティスリー」を洋生菓子全般の意味で用いることもある。干菓子はおおむね水分が10%以下のもので、チョコレート、キャンディ、チューインガムなどのコンフィズリーのほか、ビスケットやリーフパイなどの焼き菓子も含まれる。半生菓子はその中間で、洋菓子では一部のスポンジケーキや砂糖漬けなどが該当する。
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