泰緬鉄道建設F隊とワイルドとは? わかりやすく解説

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泰緬鉄道建設F隊とワイルド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 09:38 UTC 版)

シリル・ワイルド」の記事における「泰緬鉄道建設F隊とワイルド」の解説

泰緬鉄道建設のための連合軍捕虜派遣は、1942年5月14日濠軍A.L.ヴァーリ准将率いるA隊3,000人のモウルメイン派遣始まり1942年10月から1943年3月までに、35,000人以上がチャンギーや他の収容所から建設現場派遣されていた。1943年春に連合国インド洋制海権掌握しつつあり、海上補給路の維持困難になってきたため、泰緬鉄道建設急がれることになった1943年初、馬来俘虜収容所所長有村恒道中将は、タイ派遣する捕虜7,000人を選ぶよう、チャンギーの捕虜統率者要請した。既に健康な者は派遣済みで、栄養不良により捕虜は皆弱っていたため、適当な者はいないと回答すると、有村中将は、移動先はシンガポールよりも食糧事情良く療養のためにも良いから移動するので、健康不良者作業や行軍はさせない日用品機器類を携行してよい、食堂病院医療品用意する等の条件提示したため、約2,000人の健康不良者も含む捕虜7,000人のF隊が編成され列車シンガポール出発した。 F隊に同行したワイルドは、実際にタイのバンポン(英語版)から先に移動手段もなく、携行品放棄して300キロ徒歩移動しなければならなかったこと、満足な食事落伍者受け入れ医療施設もなく、日本軍下士官捕虜行軍させるために捕虜健康状態考慮せず、また抗議無視して暴力振るっていたことなどを記録していた。目的地となっていたタイビルマ国境に近いジャングル到着すると、捕虜収容所建物未完成屋根がない状態だった。捕虜健康状態関わりなく材木運搬杭打ちなどの建設作業従事させられ過酷な作業のほかにケガマラリヤ赤痢などの感染症日本軍暴力脅かされ続け毎日だった。 1943年7月、ソンクライの第2収容所からM.T.L.ウィルキンソン中佐10余人脱走する事件があり、8月下旬ビルマ辿り着いた4人が逮捕され各地収容所引き回され上でF隊司令部のあるニーケへ連れ戻され処刑されることになった。このとき処刑立会いのためニーケに出向くよう指示されワイルドは、状況察して坂野中佐面会し脱走者処刑しないよう抗議した。 (…)彼(坂野)は、これらの将校逃亡し部下困難に陥れた、といった。わたし(ワイルド)は、それは逆だ答えた日本軍こそ、将校部下面倒を見られないようにした。何百人もが死んでいくのを見るに忍びず、自らの命を賭けてインドまで脱走しイギリス陸軍外の世界に、日本軍タイの鉄道において捕虜をどう扱っているのかを知らせようとしたのだ、といった。さらに坂野中佐にたいして、シンガポールを出るとき、帝国陸軍信用せよ、何の心配もいらないといったではないか。しかし3ヶ月のちには、帝国陸軍信頼した者のうち1,700人が死に、さらに何百人もが死にかけているではないか、と抗議した。ここで坂野中佐は、なんと涙を流しはじめた。(…) — シリル・ワイルド1944年6月26日日本軍第7方面軍本部のラッフルズ・カレッジ軍事法廷終了後報告書の中で 坂野中佐処刑中止した逮捕された4人は翌1944年6月軍事法廷で「(逃走中死亡した)ウィルキンソン中佐そそのかされた」として有期刑となり、オートラム刑務所数ヶ月収監された後、健康上の問題理由出所許された。

※この「泰緬鉄道建設F隊とワイルド」の解説は、「シリル・ワイルド」の解説の一部です。
「泰緬鉄道建設F隊とワイルド」を含む「シリル・ワイルド」の記事については、「シリル・ワイルド」の概要を参照ください。

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