気象現象への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 07:39 UTC 版)
「地球温暖化の影響」の記事における「気象現象への影響」の解説
AR4では、抽象的表現ながら、ほとんどの陸上で寒い日・寒い夜が減少、暑い日・暑い夜が増加し、全体的に昇温傾向となるのはほぼ確実とされているほか、高温や熱波・大雨の頻度が増す可能性がかなり高く、干ばつ地域の増加・勢力の強い熱帯低気圧の増加・高潮の増加がもたらされる可能性が高いとされている。 気象現象への影響は一括して「異常気象の増加」、気候への影響は「気候の極端化」と表現されることがある。平均的に地上気温は上昇すると考えられているが、その変化は均一ではなく、場所によって上昇幅が異なり、また、期間によって低下したりと、時間によっても異なる。そのため、地上の温度分布が変わることによって気圧配置が変わり、これまでとは異なる気象現象が発生したり、気象現象の現れ方が変わったりすることが考えられている。 例えば、チベット高原などの気温上昇によって偏西風が蛇行しやすくなり、中高緯度地域でブロッキングが発生しやすくなることで、異常気象の増加といった影響が予想されている。チベット高原の気候変動はこのほかにも、梅雨の期間・降水量や冬季における寒気の流入、春や秋の低気圧の勢力・進路などを左右し、日本周辺の気候に大きな影響を与える可能性があるとの研究結果もある。 また、アメリカ南東部・東部の海水温上昇により、竜巻の発生域が南東部や東部に広がっており、温暖化によってこの傾向に拍車がかかる可能性が指摘されている。 また、温室効果が強まると成層圏の気温が低下し、地上との気温差が増して大気の対流が強まり、気象現象も強まるとの考え方がある。これにより、例えば勢力が強い低気圧が増えたり、積乱雲の勢力が強まったりといったことが予想される。しかし、成層圏の気温には、オゾン濃度の減少による気温低下、エアロゾルによる日傘効果など、科学的に詳しく解明されていない点がある要素が関わっており、上昇するのか低下するのかは定かではないとの考えもある。 熱帯低気圧に関しては、最盛期の最大風速が増し、中心部の降水量が増える可能性が高いとされている。しかし、熱帯低気圧の発生数は減少するとともに、非常に強いレベルの熱帯低気圧は増加し、弱い熱帯低気圧は減少する(強いレベルの熱帯低気圧の増加予測よりも信頼度は低い)と予測されている(AR4)。 温帯低気圧に関しては、発生数は減少し、特に南半球で低気圧の経路が高緯度側に傾き、中心気圧が低下して風速も強まると予想されている。
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気象現象への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 03:07 UTC 版)
「地球温暖化の影響#気象現象への影響」を参照 気象現象への影響は一括して「異常気象の増加」、気候への影響は「気候の極端化」と表現されることがある。温暖化に伴って気圧配置が変わり、これまでとは異なる気象現象が発生したり、気象現象の現れ方が変わったりすると予想されている。たとえば下記のような変化が懸念されている。 偏西風の蛇行、異常気象の増加。日本周辺の気候にも大きな影響を与える可能性。 アメリカ南東部・東部の海水温上昇により、竜巻の発生域が南東部や東部に広がる。 暑い日・暑い夜が増加し、全体的に昇温傾向となる。高温や熱波・大雨の頻度の増加、干ばつ地域の増加、勢力の強い熱帯低気圧の増加、高潮の増加。 降水量に関しては異論もあるものの、たとえば下記のような影響が懸念されている。 大気中の水蒸気量の増加により、平均降水量が増加。 平均降水量の変動幅の増大、豪雨や旱魃の増加。 熱帯雨林の乾燥化や崩壊。
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