気象現象における大気波の重要性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/01 18:28 UTC 版)
「大気波」の記事における「気象現象における大気波の重要性」の解説
20世紀初頭には、高層気象観測によってロスビー波などの大気波が発見されていた。当初は、あくまで高層大気の現象であって地上の気象に与える影響はほとんど無いと考えられていた。しかし研究の進展に伴い、総観スケールや惑星スケールの気象現象に影響を与えている、というよりも支配していることが分かってきた。 1年周期である成層圏偏東風・偏西風の波動は、ブリューワー・ドブソン循環とともに成層圏の風系を形作っている。ロスビー波は対流圏上部のジェット気流の流路を左右する大きな因子である。 また、対流圏から成層圏や中間圏へと(鉛直方向に)伝播する重力波のうちで規模が大きなものや、ロスビー波の一部は、中層大気の循環場に擾乱をもたらし、これが間接的に、いわゆる異常気象の原因となることがある。 1960年代以降の研究によってこういった重要性が明らかとなり、1980年代以降はこれを方程式に組み入れて再現するためのモデル化の試みが始まった。近年では、実際の予報に用いられる数値予報モデルにも一部用いられているものがあるが、まだ解明されていないものも多く、さらなる研究が現在も進められている分野である。
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