異常気象の増加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 09:15 UTC 版)
20世紀頃から、工業化、文明化が急速に進行して異常気象が多く起こるようになったとされている。しかし、増加の原因は異常気象自体の増加のみによるものだけではなく、通信技術の発達や開発により多くの異常気象が報告されるようになったこと、人口の増加や貧困、建築物の長寿化などにより社会的に異常気象による災害に対するリスクが高まったこと、気象に関する知識の普及や気象学の進展なども一因である。太陽の活動状態の変動も地球の気候に非常に大きな影響を与えている。 気候モデルの推定によれば、地球温暖化により今後数十年〜数百年後には、現在よりも異常気象が増えると考えられている。しかし、氷期においては低緯度と高緯度の気温差が大きく、異常気象が現在よりも多かったとの研究もある。 一般的に古気候学では、地球規模の温暖期は極地と赤道の気温差が小さくなり気象現象が穏やかになる一方、寒冷期は気温差が大きくなり気象現象が激しくなるとされている。しかし、温暖期や寒冷期は地域的に発生することも少なくなく、その場合は例外が起きる。ただ、気象現象の激しさの推定に関してはまだ正確ではなく、異論もある。 また、暖冬や猛暑、局地的な雷雨や突風、強い台風などの1つ1つの異常気象について、その原因(人為的要因、特に地球温暖化の関連性)を探る向きがある。偏西風の偏り、広域的な気温や海水温の偏り、エルニーニョなどの大気変動を間接的な要因として挙げることはできるが、地球温暖化が原因かどうかを推定することは、気象のカオス性から考えて非常に難しい部分がある。地球温暖化との関連性をはっきりと断言できるものはほとんどなく、多くは「分からない」としか言えない程度の関連性しかない。 一方、ヒートアイランド現象や砂漠化などは、気象に与える影響が割とはっきりしており、異常気象の原因と推定できることもある。なお2015年は世界の平均気温が過去最高を記録する年となった。
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