民話・逸話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 01:38 UTC 版)
文化審議会世界文化遺産部会は新たな推薦候補には、関連する無形の要素やストーリー性が伴う必要性を示した。 『三年寝太郎』…主人公が佐渡金山で新品の草鞋を無償で使い古した草鞋と交換し、底に付いた泥の中から砂金を回収し財を成す。 『二ツ岩の団三郎狸』…相川に棲んでいたと伝わる化け狸。鉱夫に化けて金山で働いたという伝承がある。金精錬時に風を送る鞴を、「狸の金玉 八畳敷き」と形容される陰嚢で代用したという下ネタもある。ジブリアニメ『平成狸合戦ぽんぽこ』にも名前が登場する。なお、佐渡には狐が生息しないため稲荷信仰が定着せず、狸が信仰の対象となった。 『与右エ門むかで』…困難とされた南沢疎水掘削のため与右エ門が単身坑道に入り、数日で貫通したので鉱夫が中へ入ると、ムカデになって穴を掘った与右エ門がいた。単なる昔話ではなく、『怪談藻塩草』に「霊山寺に大百足出でし事」として収録されている。工事を指揮した静野与右エ門がモデルで、相川町の百足山に神社が建立され祀られており、重要文化的景観の構成要素にもなっている。ムカデは岩盤の中にある鉱床の筋目模様に似ていること、後ずさりしないことから掘り進める不退転の心意気の証として鉱夫にとっては縁起が良いものであった。 『お富与三郎』…歌舞伎の『与話情浮名横櫛』を題材にした十代目 金原亭馬生による落語。与三郎が佐渡に島流しになるくだりを主題にし、金山での囚役の様子を情念を込めて語る。最後は佐渡で初となる島抜けに成功する。 「惚れ薬佐渡から出るがいっち効き」…『誹風柳多留』に収録された川柳。惚れ薬には「佐渡から出る(金)」つまり小判が一番だと詠んでおり、転じて「佐渡」は特効薬・万能薬の地口(隠語・形容詞)にもなった。 アルキメディアン・スクリュー…アルキメデスが考案したとする螺旋状のスクリューによる排水設備。『佐渡年代記』によると1653年(承応2年)に水学宗甫というカラクリ技師が佐渡金山に伝え、水上輪の名称で実際に稼働していた。手回し動力で、その作業(水替人足)には島流しとなった罪人やキリシタンが負わされた時期もあった。 佐渡小木地震…1802年(享和2年)に小木で発生した地震だが、相川金山では地震の数日前から坑道内で地鳴りや湧水量・水温の変化といった宏観異常現象に気づき、退避していたことで落盤は発生したが犠牲者は出さずに済んだ。
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