民話例
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フーアの息子の説話「ブロラハン」(およびそのいくつかの類話)は、J・F・キャンベルの『西ハイランド昔話集』(1860年)所収であるが、そもそもデンプスター女史(英語版)が採話者(1859年)であり、キャンベル昔話集への提供者であったことが述べられている。それらの背景舞台は「フーアの粉ひき小屋」も含めてデンプスター家の所有地(「スキボ城(英語版)の領地」とも称される)内にあるが、シャーロットはその親族である(ジョン・ハミルトン・デンプスター大佐の妾腹の娘ハリエットの孫)。 (1) J・F・キャンベル編「ブロラハン」(1860年)、デンプスター編(1888年)「フーアの息子ブロラハン(ブロラハン・マクヴォー)」(北部サザランド州、ミグデール湖(英語版)の端の沢が流れる「渓谷の粉ひき小屋」ムーリン・ナ・グレン 語り手の「寡婦のマリー・カルダー」が朗誦したこの一編では、ブロラハン(英語版)という怪異の母親がフーアである。ブロラハンには目口があるが、定まった体形がなく、「私自身」と「あなた自身」の二言しか喋れない。 ブロラハンが小屋で火にあたっていたところ、小屋に住みついた身体障碍者、通称「粉ひき小屋のアリー」・マレーが泥炭を乱暴にくべて火傷させた。しかし言葉の限界のせいで犯人を母親のフーアに伝えることができなかった。 (2) J・F・キャンベル編「フーアの粉ひき小屋」(1860年)、デンプスター編(1888年)「ムーリン・ナ・ヴアハのヴォー」(北部サザランド州、同上の粉ひき小屋、別名。デンプスターの音写に従えば、「(定冠詞)フーア the fuath」はナ・ヴォー na vaugh、「フーアの of the fua」の意の属格はナ・ヴアハ na vuagha となる。 インベラン(英語版)に住む男が賭けをし、小屋の「ケルピー」(フーア)を捕獲して連れて帰ると豪語した。黒い鼻づらの犬を連れた甲斐あり成功し、二頭目の馬に繋ぎとめて戻ってきた。ミグデール湖の南端の沢を渡るときにざわつき始めたので、靴屋の錐と縫い針で刺しておとなしくさせた。フーアは、曲った錐ならよいが、針は遠ざけてくれと嘆願した。友達が出迎えて明かりを向けると、崩れ落ち、そこにはゼリー状の塊しかなかった。荒野でみつかる「墜とされし星(ドロップド・スター)」と呼ばれる正体不明の物体にそっくりだった。 (3) J・F・キャンベル編無題、類話4(1860年)、デンプスター編(1888年)「水のバンシー、ヴォー、または妖術女」(北部サザランド州ミグデール湖、同上の粉ひき小屋。 ブロラハンが出入りする粉ひき小屋で目撃されたバンシー(妖精女)は、熟しした麦のように黄色い髪で、緑のシルクの衣服を着ていた。だが鼻がなかった。 (4) J・F・キャンベル編無題、類話5(1860年)、デンプスター編(1888年)「水かき足のケルピー」(北部サザランド州、同じデンプシー家所有の羊牧場。 (当家の)羊飼いが、汚れて足が不自由になったバンシーを見つけ、背負ってやったが、その足に水かきがあるのを見つけると放棄し、彼女の敷布を奪って投げ飛ばした。
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民話例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/23 06:31 UTC 版)
内容豊富な民話例としてソフィア・モリソン(英語版)が1911年に発表した民話集の「ゴードン農場のフィノーデリー」があるが 、これはフェノゼリーが活躍するいくつかの伝承を接ぎ合わせたものだと考察されている。このモリソンによる再話が、もっとも人口に膾炙した例となった、ともいわれている。
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