女史とは? わかりやすく解説

じょ‐し〔ヂヨ‐〕【女史】

読み方:じょし

《昔、中国で、記録事務扱った女官の称から》

社会的地位名声のある女性敬意込めていう語。また、その女性の名前に添えて敬意を表す語。

昔、文書事務扱った女官


女史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/16 17:08 UTC 版)

女史(じょし)とは、学者芸術家政治家などの社会的地位や名声のある女性に対する敬称である[1][2]

もともとは中国古代の女官名である[1]。日本でも女官の一つ(令外官)で、内侍司に属し文書のことをつかさどった[1]平安時代中期以降は博士命婦と呼ばれるようになった[1]。国語学者の大野晋は、「『女史』という言葉はもともとは中国で女性の書記を表した。日本では、明治時代に、学者や文筆活動をする女性が出てきて使われ始めた。明治時代は、学問をしている女性は傑出しているわけで、女性を一人前に扱う、ということから出てきている。尊敬語だが、『女だから』という思いは入っている」と述べている[3]

共同通信社の『記者ハンドブック』では1997年発行の第8版からこの言葉が新たに「差別にあたる言葉」として記載された。第13版(2016年)でも「差別語、不快用語」欄において「女史→〇〇〇〇さん」との書き換えが例示されている[4]

時事通信社の『最新用字用語ブック』第7版(2016年)には「女史〈使わない。「〇〇さん」「〇〇氏」とする〉」と記載されている[5]

三省堂の『マスコミ用語担当者がつくった 使える!用字用語辞典』(2020年)では、「女史→〇〇さん(具体名で書く)*男性側に対語がなく、女性を特別視した表現」と書かれている[6]

脚注

  1. ^ a b c d 女史」『精選版 日本国語大辞典』小学館https://kotobank.jp/word/%E5%A5%B3%E5%8F%B2コトバンクより2025年2月17日閲覧 
  2. ^ 女史」『デジタル大辞泉』小学館https://kotobank.jp/word/%E5%A5%B3%E5%8F%B2コトバンクより2025年2月17日閲覧 
  3. ^ 高木正幸『差別用語の基礎知識’99 何が差別語・差別表現か?』土曜美術社出版販売、1999年、151頁
  4. ^ 一般社団法人共同通信社編『記者ハンドブック 新聞用字用語集』第13版、共同通信社、2016年、494頁
  5. ^ 時事通信社編『最新用字用語ブック』時事通信社、第7版、2016年、515頁
  6. ^ 前田安正他編『マスコミ用語担当者がつくった 使える!用字用語辞典』三省堂、2020年、324頁

関連項目


女史(じょし)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 17:05 UTC 版)

敬称」の記事における「女史(じょし)」の解説

社会的な地位が高い女性に対して用い女性用敬称だったが、現在では死語となっており、場合によって揶揄的にのみ用いられる。しかし、稀に書籍(特に和訳されたもの)において本来の意味用いられる場合がある。

※この「女史(じょし)」の解説は、「敬称」の解説の一部です。
「女史(じょし)」を含む「敬称」の記事については、「敬称」の概要を参照ください。

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