比較的よく見られる種類(9m以上の大型種のみ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/29 02:37 UTC 版)
「ホエールウォッチング」の記事における「比較的よく見られる種類(9m以上の大型種のみ)」の解説
(ヒゲクジラ類) ザトウクジラ 北海道・日本海側や瀬戸内海も含め、日本列島の大部分の沿岸海域で観察記録があり(出現自体は希で散発的)、定期的な出現が確認されている海域もある。小笠原や南西諸島各地が冬季の主な繁殖地だが、釧路や仙台湾、熊野灘沖など、日本列島における確認数は(一部海域で)増加傾向にある。かつては日本列島の両沿岸全土が回遊経路であったが、現在は沖合を回遊するので確認が少ない。 ニタリクジラ(カツオクジラの可能性が高い。土佐湾を参照。) 高知県の土佐湾(定住群が存在。)や鹿児島県笠沙町周辺ではウォッチングの主対象であり、1年中見ることができる。瀬戸内海で確認される事もある。鹿児島沖の個体群(東シナ海個体群)は長崎県沖や五島列島、山口県沖にも回遊する事が判明している。小笠原諸島沖合にも定住個体群が存在する。東日本等その他の地域にも個体群が存在したが、現在では希か消滅。 ミンククジラ ツアー中の観察は、現在は北海道の沿岸部でのみ期待ができる。三陸沖、日本海の一部で比較的多く観察可能で、小笠原諸島を除く日本近海の大部分の海域で確認されている(漂着や散発的な確認例が多い)。定置網に混獲されて死亡する例が非常に多い。日本海には定住するミンククジラの個体群が存在するとされ、対馬や平戸などの九州北部や山口県沖、若狭湾や輪島市沖などで比較的よく観察されている。最も南では与那国島でも確認されている。北西太平洋ではIWCのHitter・Fitterプログラムによりミンククジラの資源量は比較的高位状況にあり近年増加傾向にあると分析されているが、ミンククジラの日本海側個体群は日本哺乳類学会によって「保護すべき地域個体群」に指定されており(水産庁は「普通」に指定)、生息範囲も広いが観察できる確率は決して高くない。調査捕鯨や商業捕鯨、密猟等様々な影響にあり、太平洋側でも著しい減少が確認された海域は商業・調査捕鯨の時代から確認されており、室蘭等ホエールウォッチング業での確認数が激減、観察が難しくなっている海域も多い。 (ハクジラ類) マッコウクジラ 現在の日本近海の大型鯨類では、個体数が最も豊富だとされる。瀬戸内海や日本海側での確認はまれ。太平洋側では北海道から南西諸島までの幅広い海域で観察ができる。オホーツク海・知床半島、や三陸、冬季の銚子沖、高知県室戸岬沖や熊野灘および静岡県伊東市沖、長崎県五島列島や男女群島など。小笠原に定住個体群が存在する。 ツチクジラ 現在、観光ツアー中にある程度の高確率で見られるのは知床半島と網走沖のみ。三陸、佐渡島、富山湾以北の日本海でも見られるが観光ツアーはなく、減少が激しい。東京湾(特に浮島付近)や房総半島は太平洋側の個体群の冬季における生息の中心であったが、現在では消滅または激減、商業捕鯨の存続が難しいレベルにまで落ち込んだとされている。 シャチ 北海道沖に広く分布し、本州以南でも三陸や銚子沖、伊豆半島、熊野灘、室戸岬、瀬戸内海、北九州、南西諸島など多くの海域で観察されている。個体数は少ないので確認は散発的である。日本海ではより少ない。
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