歩みと功績
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/31 05:02 UTC 版)
東京大学理学部助手のときに、ジョン・グッドイナフ教授の招きでオックスフォード大学無機化学研究所に滞在し、リチウムイオン二次電池の正極材料となるコバルト酸リチウム(LiCoO2)など、一連の物質を発見した。
※この「歩みと功績」の解説は、「水島公一」の解説の一部です。
「歩みと功績」を含む「水島公一」の記事については、「水島公一」の概要を参照ください。
歩みと功績
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 07:59 UTC 版)
物性物理学(磁性体の研究)から、生物物理学へと研究を移し、日本生物物理学会会長も務めた。物理畑出身の生物学者として、電子技術総合研究所(現在の産総研)におけるライフサイエンス分野の研究の黎明期を担った。脳機能の解明に向けた研究で知られる。 研究テーマは、脳と同じ原理で情報処理を行う「脳型コンピュータ」の開発と、この研究を通じて「人間の脳」の仕組みを解明することにあった。まず松本は、電子技術総合研究所において、ヤリイカの人工飼育法の開発に着手した。巨大軸索をもつヤリイカは、モデル生物として最適であるが、生きたまま輸送し、人工飼育を実現することは不可能とされ、研究を進める上でのボトルネックとなっていた。動物行動学の権威で、ノーベル医学生理学賞を受賞したコンラッド・ローレンツから「人工的な飼育が不可能な唯一の動物」とすら言われていたが、本来、動物行動学とは無縁であった松本は周囲が「気が狂ったのではないか」と言うほどヤリイカに情熱を傾け、苦心の後、定常的に飼育する方法を開発するに至った。巨大神経細胞が豊富に得られるようになった松本のグループは次々と研究成果を挙げ、脳・神経科学の分野で世界的な業績を生み出した。電総研の地下にはヤリイカの水槽がいくつもあり、見学者に「色がきれいだろう」と紹介したり、イカ焼きパーティーでヤリイカを振る舞ったりした。1970年頃、イカの死因は精神的ストレス説が主流であったが、松本は環境説を唱え、3年の努力の結果アンモニア濃度が原因と発見した。アンモニアを吸着し、測定できないほどに濃度を下げるとイカは何日か飼うことができた。さらに、アンモニアを分解するバクテリアを積極的に培養するバイオフィルターを採用することで、60日の飼育に成功した。 その後、脳型コンピュータの開発を行うため理化学研究所に移り、脳科学総合研究センターのディレクターとして研究を行い、ラット大脳海馬神経系での学習アルゴリズムを細胞下レベルで研究し、「脳がみずからを創る」戦略としての学習のモデルを提案し、これをシリコンLSIチップ化し、応用展開を試みていた。 しかし62歳でこの世を去った。日本政府はその功績を称え、正四位勲三等瑞宝章を贈った。メモリアルサイトでは、松本の業績を総括して、(1)ヤリイカの人工飼育、(2)生物の物理学的理解、(3)ヤリイカ巨大神経における微小管の発見、(4)ヤリイカを用いたその他の研究(生物の機能と分子の関わりの解明)、(5)光計測による神経活動実時間イメージング、(6)脳の学習原理に関する実験的研究、(7)脳型コンピュータの基本設計、を挙げている。 講演では決まって「脳を活性化するのは愛です」と話す松本は、明るい人柄で慕われた。
※この「歩みと功績」の解説は、「松本元」の解説の一部です。
「歩みと功績」を含む「松本元」の記事については、「松本元」の概要を参照ください。
- 歩みと功績のページへのリンク