構造および原理とは? わかりやすく解説

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構造および原理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/15 16:54 UTC 版)

ドリフトチェンバー」の記事における「構造および原理」の解説

ドリフトチェンバーは、ガス封じ込めるための箱(チェンバー)の中に多数ワイヤー張った構造をしている。 荷電粒子効率よく捉えるために、ガス単原子分子である希ガスヘリウムアルゴンごくまれにキセノン)を主として多原子分子エタンメタン等を混合したものが用いられるワイヤー陽極陰極分かれており、ある区間セル呼ばれる)で陽極に行くほど急峻な電場勾配作り込む荷電粒子ガス通り抜ける際に、希ガス分子電離され陽イオン電子分かれ電子陽極、プラスイオンは陰極へと移動ドリフト)していく。電子ドリフト速度は、ガスの種類圧力によっても異なるが およそ 5 cm/μs 程度であり、陽極近くでは急激に電場勾配強くなり、ドリフトした電子電子雪崩現象により増幅されることで陽極達した多数電子ワイヤー電荷誘起される。この結果として特定セル陽極電気パルスとしてのシグナル生じ荷電粒子セル通過したことが分かる同時に電気パルス時間軸上に分解することでセルのどの地点通過したのかが計算求まる。また高速荷電粒子であれば複数セル通過することが可能であるため、自ずと飛跡同時に分かる陽極近辺急な電場勾配要求されることから、使用されるワイヤー10ないし20 μm直径のものが一般に使用され、この細さ十分な強度得られるものとして、レニウム混ぜたタングステンワイヤーが使用される一方で陰極作るワイヤーには細さはさほど要求されないので、アルミもしくはベリリウム合金製の、直径100 μm程度のものが使用される誘起され電荷は、1 pC 弱と微小であるため、電気抵抗低減目的陽極陰極両方ワイヤーとも金メッキ施され、また検出用の増幅器には高感度増幅器用いる。 実際実験では、ドリフトチェンバーよりも時間分解能のよい検出器置かれており、ドリフト時間スタート時刻(タイム・ゼロと呼ばれる)を決定している。素粒子原子核実験荷電粒子飛行時間測定する装置は、オーダーとして 100 ps達するプラスティック・シンチレータを用いられるので、これらでタイムゼロを決定するドリフトチェンバーは、小型のものから大型のものまで様々なものが実験あわせて設計され作成される大きなものでは、高エネルギー加速器研究機構過去行われたトリスタン実験用ドリフトチェンバーは、直径3 m長さ10 mのものが使われ大型ハドロン衝突型加速器 (LHC)実験用ドリフトチェンバーは、直径が6 m。長さ15 mにも達する。

※この「構造および原理」の解説は、「ドリフトチェンバー」の解説の一部です。
「構造および原理」を含む「ドリフトチェンバー」の記事については、「ドリフトチェンバー」の概要を参照ください。

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