業績[1、3]
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 07:16 UTC 版)
昭和4年東京帝国大学医学部を卒業後、同生理学教室橋田邦彦教授の副手・助手をつとめ、「蛙皮の歪電流について」で医学博士。同時期、リンゴ果皮の電気的興奮の研究も行った。昭和14年東北帝国大学医学部に移ってからは、脳波の研究を開始し、理論的にも実際面でも無理だと言われていた4段増幅回路を用いた脳波計を手作りし、それを用いて人間の脳波を我が国で初めて記録することに成功した。続いてこれを量的、統計的に取り扱い、それまで規則生が見出されていなかった脳波の振幅に規則性「本川の分布法則」を見出した。また脳波の臨床的応用にも力を注ぎ、脳外科、神経科領域にも貢献した。その業績は昭和22年単行本「脳波」としてまとめられている。日本脳波学会を創設し、初代会長になった。 次に行った研究は、視覚、とくに人間の色覚に関するものである。網膜中心窩に関しては赤・緑・青の3つの生理学的過程が中心であるが、その周辺では黄の過程が優勢であり、4つの過程が関与することを立証した。ヒトの色感覚の電気生理学的基本感覚曲線を見出した。「網膜を光で照射した後におこる感電性変化の時間経過は、照射に用いた光の波長によってのみ定まる」という法則を発見した。これは人間の視覚に関して心理学と生理学にまたがる最も重要な法則の一つとみなされている。この閃光法を用い錯視や図形残像現象に関与する興奮場の存在を実験的に示した。また脳波の研究法からヒントを得て、人間の網膜電図(ERG)に新しい成分を発見し、これをx波と命名した。視覚に関する業績は「Physiology of Color and Pattern Vision」にまとめられている。 以上の研究過程の間、眼の感電性を応用した疲労測定法も開発し、それにもとづく「本川式疲労測定器」を世に出すなど、労働医学の方面にも足跡を残し、「日本人間工学会」を立ち上げ、初代会長を務めた。
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