植民地支配体制確立後の中南米社会の様相
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「インディアス法」、「インディアス新法」、「ブルゴス法」、「カシケ」、「メスティーソ」、「ムラート」、「サンボ」、「en:Zambo」、「マルーン」、および「プリンキパリア」も参照 征服後、スペイン人を頂点とする厳格で抑圧的な植民地支配の体制が確立されていった。征服後の社会でスペイン人たちは圧倒的な社会的、経済的な力をもち、それを背景に多くのインディオ女性を妾として性的関係を結ばせた。これによってメスティーソの数がさらに、増加することとなる。また、スペイン人の文化が至上のものとされ、インディオの文化は卑しく醜いものとされた。さらに、アフリカ大陸から多数の黒人奴隷が連行され、北はフロリダ半島から南はラ・プラタ川まで各地で黒人は家内労働やプランテーションでの重労働に従事した。 この征服によって中南米社会の様相は一変し、現在に至るまで続く白人優位の下にメスティーソ、インディオ、黒人といった社会構造が形成された。スペインによって征服された地はインディアス、または、イスパノアメリカと呼ばれるようになった。イスパノアメリカは同時期のポルトガルによる植民地化と併せて、19世紀半ばからこの地域はラテンアメリカと呼称されるようになった。 また、アメリカ大陸とヨーロッパの相互に様々なものがもたらされた。ヨーロッパからアメリカ大陸にもたらされたもので重要なものには、世界宗教としてのキリスト教、コムギ・サトウキビ・コーヒーなどの農産品、馬・牛・羊などの家畜、車輪、鉄器があり、また、ヨーロッパ人自身も入植者としてそれに含まれる。また、天然痘、麻疹、インフルエンザなどの伝染病があった。一方アメリカ大陸からヨーロッパには、 メキシコ原産のトウモロコシやサツマイモ、東洋種のカボチャ、トウガラシ、アンデス高原原産のジャガイモや西洋種のカボチャ、トマト、熱帯アメリカ原産のカカオなどが伝えられ、スペイン料理やイタリア料理などのヨーロッパ諸国の食文化に大きな影響を与えた。その他にはタバコや梅毒も伝えられた。
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