東京湾臨海署刑事課強行犯第二係
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「安積班シリーズ」の記事における「東京湾臨海署刑事課強行犯第二係」の解説
『夕爆雨』より新たに設置された部署。臨海署の規模拡大に伴い設置された。『夕爆雨』時点では、相楽、荒川、日野を含めて5人体制となっている。 相楽 啓(さがら けい) 警視庁捜査一課殺人犯捜査第五係⇒東京湾臨海署刑事課強行犯第二係・係長(警部補) シリーズ初期から登場している人物で、強行犯係が二係制になって以降、第二係の係長として臨海署に異動する。年齢は39歳で独身。 安積には一方的にライバル意識を持っており、初期の頃から捜査方針を巡り何度も対立を繰り返していた。臨海署に異動後も安積へのライバル意識は変わらないが、『烈日』所収の『厳冬』では、風邪でダウンした安積の代わりを引き受けるなど、以降の作品でも安積に協力的な姿勢を見せるようになる。 捜査一課所属時代の『残照』では、佐治基彦警部の部下であり、佐治に同調して安積に反発するなど、従順な部下として描かれたが、臨海署に異動して以降はその関係が変化していく。『潮流』では安積にこっそり協力したり、『炎天夢』では佐治に同調することはほとんどなく、逆に安積の後ろ盾になる場面が多くなったため、佐治を驚かせた。『暮鐘』所収の『確保』では、臨海署管内に潜伏中の指名手配犯を逮捕する捕り物作戦において佐治に前線本部の指揮を命じられるが、自分を除く臨海署の刑事をお役御免にしようとした佐治に異を唱え、これを撤回させた。さらに、捜査一課主導で犯人確保と決めていた作戦を自身の独断で安積たちに委ねるなど、ここでも佐治のやり方に背いたことで、安積たちが指名手配犯を逮捕した。佐治にはその理由を問い詰められたが、「自分は臨海署の強行犯係です。臨海署主導でやらせるのが最良と判断しました」と、かつての上司だった佐治を相手に一歩も怯むことなく自身の考えを述べている。佐治達が去って行った後、安積にも「なぜ佐治係長の指示に従わなかったのか」と尋ねられるが、「従わなかったのではなく、最良の判断をしただけです」と述べた上で、「臨海署が舐められるのは、悔しいじゃないですか」と話すなど、元上司だった佐治もまた、対抗心を燃やす相手として見るようになる。 荒川 秀行(あらかわ ひでゆき) 臨海署刑事課強行犯第二係・部長刑事。 年齢は51歳で、臨海署刑事では一番の高齢。強行犯係が二係制になって以降、臨海署に赴任。上司である相楽のことは「仕事熱心な人」と評している。相楽同様、一係には負けたくないという意識を持つ。 『暮鍾』所収の『確保』では、安積と予備班を組んでいるが、ここで相楽について安積に語っている。相楽が上司になったばかりの頃は辟易していたが、相楽と接するうちに「相楽係長は自分自身に苛立っている」「愚直で真っ直ぐな人」と評すようになり、安積には「相楽係長とあなたは似ている」と告げ、安積を驚かせた。安積に突っかかるのも目の敵にしているからではなく、安積に追いつきたかったからであり、苛立ちの理由も「安積係長を尊敬していると、認めたくないから」と述べている。安積は「相楽が俺を尊敬しているというのは、荒川さんの思い過ごしでしょう」と口にするが、「思い過ごしかもしれない。直接聞いたわけじゃないからね」と言った上で「いずれわかる時がくると思う」とだけ返している。 日野 渡(ひの わたる) 臨海署刑事課強行犯第二係・刑事。 第二係では一番の若手で、年齢は『捜査組曲』時で30歳。同作所収の『オブリガード』では、第一係の水野と付き合っているという噂が流れたが、実際は交際を申し込むも断られていたということが判明する。 今野の別シリーズである『同期』シリーズ最終作『変幻』では相楽、荒川と共に登場し、警視庁捜査一課刑事で主人公・宇田川亮太の上司である植松義彦警部補とコンビを組み、捜査する。相楽の流儀を頑なに守る姿勢の持ち主で、捜査一課と所轄の刑事でコンビを組むことに反対し、「競争することで遺憾なく実力を発揮できる」と発言し、宇田川を閉口させる。
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