村井ワクチンをめぐる陰謀
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 15:21 UTC 版)
「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の記事における「村井ワクチンをめぐる陰謀」の解説
笑い男の狙いが厚生労働省の何らかの情報にあると睨む公安9課であったが捜査は行き詰まっていた。トグサは笑い男の狙いは紙媒体情報ではないかと疑い、膨大な紙資料の中から「村井ワクチン接種者リスト」が無くなっていることを突き止める。村井ワクチンは不治の病である電脳硬化症の特効薬で、薬効は認められるも、様々な利権が絡み、当時の審議会によって不認可となった代物であった。ところが密かに特定の人間に対して有償実験薬という名目で投与が認められており、無くなっていたのはその接種者のリストであった。トグサは村井ワクチンの情報開示と認可活動を行う民間団体「ひまわりの会」に話を聞きに行くと、当時、村井ワクチンに不認可を出した審議会理事長の今来栖から、会に接種者リストが送られてきたことを明かされる(また、接種者リストの中に今来栖の名もある)。ところが、そこに厚生労働省配下の安岡率いる実働部隊マトリが襲撃を掛け、会員は皆殺しの上で資料は奪われ、トグサもまたかろうじて脱出するも重傷を負う(「消された薬」)。 意識不明に陥ったトグサの記憶から村井ワクチンや今来栖、マトリ及び厚生労働省の暗躍を知った公安9課は事態究明のため、今来栖の行方を追う。一方、マトリにひまわりの会の殲滅を命じた厚生労働省医薬局長の新見は、旧知の今来栖の裏切りに業を煮やし、マトリに彼の行方を追わせる。実は今来栖は笑い男の脅迫を受けており、彼の目的は、かつての瀬良野氏誘拐も含め村井ワクチンが不当に不認可にされた真相を世間に暴露させることであった。今来栖の居場所を知った9課とマトリ双方の激しい身柄争奪戦が始まり、草薙とバトーはマトリの課員達を排除していく。任務を達成したかと思いきや、今来栖は別の暗殺者によって狙撃され殺されてしまう。しかし、その場には笑い男も来ており、接種者リストの原本をバトーに託して姿を消す(「置き去りの軌跡」)。 新見は配下の実働部隊に公安9課の排除を命じ抵抗を試みるが、今来栖殺害の一件などで荒巻は速やかに新見の逮捕権を取り、身柄を拘束する(ただし、その後、新見は電脳自殺を図り証人資格を喪失する)。その帰路、元首相の神崎が偶然を装って現れ、借りを返す(第19話「偽装網に抱かれて」にて荒巻の進言によって娘を助けられる)として新見の背後には連合与党幹事長の薬島がいること、彼は海上自衛軍に人脈を持ち、危険であることを密かに伝える。本部に帰ってきた荒巻であったが、そこで雑誌記者の取材より、行方不明となっていた実の兄がスラム街にて麻薬密売の容疑で逮捕されたことを知る。兄の足跡を追ってスラム街にやってきた荒巻は兄に助けられたという2人のホームレスから、麻薬取引がでっち上げであることや、その映像証拠などを教えられるが、彼らこそ新見の部下達であり、荒巻を罠に嵌めようとする。一方の草薙も、前回の騒動で破壊された義体の換装の隙を狙われ危機に陥る。荒巻はバトーの機転で救出され、草薙もまた笑い男によって助けられる。笑い男はその見返りとして、もはや自分一人ではどうしようもなく、これから自分が起こすことを黙認して欲しいと言う(「疑獄」)。 元海上幕僚長で、政界に転出後は厚生労働省の族議員として力を握った薬島が、すべての黒幕と睨む9課であったが、彼を追い込める材料が無かった。そこで今回の一連の出来事に関係しているセラノの社長で、現在は護衛という目的で警察に監視・軟禁されている瀬良野に着目する。しかし、バトーらが到着するより早く、瀬良野は笑い男によって密かに拉致されてしまう。瀬良野と笑い男は6年前の出来事について懐かしみながら話合い、その中で、実は企業脅迫事件によって薬島が身代金と政府支給金の全額を懐に入れていたことが発覚する。自分が薬島に騙されていたことを知った瀬良野は今度こそ、真相を世間に公表することを笑い男に約束する。その後、現場から立ち去る笑い男の前にバトーが立ちふさがるが、実は笑い男は草薙の変装であり、すべては今回の事件の裏を取るための策謀であった(「善悪の彼岸」)。
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