映画化構想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 04:20 UTC 版)
「サンドマン (テレビドラマ)」の記事における「映画化構想」の解説
DCコミックスより1989年から1996年まで出版されたニール・ゲイマンが脚本のアメリカン・コミックス作品『サンドマン』を翻案する試みは1990年代より存在していたが、長らくデベロップメント・ヘル(英語版)に陥っていた。『Inquisitr』の記事では「『サンドマン』のコミックとしての性質は多くの人にとって非常にユニークで人生を変えるような経験であり、そのために大小のスクリーンに翻案することは非常に難しく、挑戦的であった」と分析された。 ゲイマンは1991年にDCの親会社のワーナー・ブラザースから初めて映画化の話を持ちかけられたが、その当時は不安を感じていた。映画化企画は1996年に始まり、ロジャー・エイヴァリーが監督に就任し、テッド・エリオットとテリー・ロッシオが脚本を執筆した。エリオットとロッシオによる脚本は『サンドマン』の最初の2つの章である「プレリュード&ノクターン(英語版)」と「ドールズハウス(英語版)」を1つの物語に統合したものであった。ゲイマンは脚本を気に入ったものの、エイヴァリーとプロデューサーのジョン・ピーターズは衝突し、その後エイヴァリーは解雇された。1998年にはウィリアム・ファーマーによって『サンドマン』の脚本が書かれたが、ゲイマンは「私が今まで見た『サンドマン』の脚本の中で最低というだけでなく、今まで読んだあらゆる脚本の中でも最低だ」と評した。ファーマーの脚本はドリーム(英語版)を悪役扱いし、ルシファー・モーニングスター(英語版)と兄妹関係にするなど原作と大幅に異なる内容であった。 ファーマーの脚本を読んだ後のゲイマンは『サンドマン』の映画化自体に懐疑的となった。2007年に彼は「最低な『サンドマン』の映画が存在するくらいなら『サンドマン』の映画は作られない方がいい」と発言しつつ、「『サンドマン』の映画が作られる時がもうすぐやって来る気がする。『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン、あるいは『スパイダーマン』のサム・ライミのように原作へのこだわりを持った人物が必要だ」と付け加えた。また、彼はテリー・ギリアムが監督することにも関心を示し、「私はテリー・ギリアムのためなら何でもするし、もしテリー・ギリアムが『サンドマン』をやりたいと思ったら、私はテリー・ギリアムが『サンドマン』をやるべきだと考えている」と述べた。2013年、DCエンターテインメントのダイアン・ネルソン(英語版)は『サンドマン』の映画化は『ハリー・ポッター』ユニバースのように豊かな展望を構想し、優先的に考えているプロジェクトであると語った。 DCでバットマンの映画フランチャイズに携わっていたデヴィッド・S・ゴイヤーは2013年に『サンドマン』の映画化をワーナー・ブラザースに提案し、2014年2月にはジョセフ・ゴードン=レヴィットがゲイマンと共に映画を製作することとなり、ジャック・ソー(英語版)が脚本家に就任した。ワーナー・ブラザースはゴードン=レヴィットが主演し、更に監督兼任の可能性も視野に入れていた。この映画はDCエクステンデッド・ユニバースとは別にDCのヴァーティゴ(英語版)・インプリントで出版されている作品を基とした映画群の一環としてニュー・ライン・シネマが製作する予定であった。2016年3月にエリック・ハイセラーが脚本書き直しのために雇われたが、その直後にゴードン=レヴィットは創造的な方向性を巡ってワーナー・ブラザースと意見が違えたことにより降板した。続いて11月にハイセラーは草案を提出したものの、「私は、この作品の最高のバージョンはフィーチャー映画でも三部作でもなく、HBOでの長期シリーズやリミテッドシリーズであるという結論に達した。フィーチャー映画の構造はこの作品とは相容れないのだ」と語ってプロジェクトから降板した。
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