日本人とユダヤ人のY染色体とは? わかりやすく解説

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日本人とユダヤ人のY染色体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 04:03 UTC 版)

日ユ同祖論」の記事における「日本人とユダヤ人のY染色体」の解説

Y染色体DNA塩基配列国際的分類法(YCC2002)によるAからRまでの18種の大分類Y染色体ハプログループ)のうち、Alu配列呼ばれる300個の特定の塩基配列YAP+因子)を持つのはハプログループDハプログループEのみであり、現代遺伝学ではD系統とE系統はおよそ6万年前にハプログループDEから分化した近縁同祖のグループとされる。ただし「6万年前」というのは、あくまで長大な時間主張する進化論合わせた分子時計説による推定値である。 そのうちハプログループDが相当な頻度存在するのは日本チベットのみである(日本3040%、アイヌ沖縄ではさらに頻度高くチベットでは約3050%)。中国朝鮮半島などでは、Dはほとんどみられない古代イスラエル人の末裔とされ中国四川省に住むチベット系チャン族チャン・ミン羌族)はDを約23持っている他方Eグループが相当な頻度存在するのはアフリカ大陸であり、その他に地中海沿いの中東からイタリア南端低頻度見られるのみである。つまり、Y染色体Alu配列YAP+因子)を持つ者が一定頻度存在する地域は、アフリカ地中海沿いの中東からイタリア南端にかけてとチベット日本のみであり、日本人Y染色体3040%については、DNA塩基配列近縁関係にあるものは周辺国等にほとんどなく、チベットアンダマン諸島アフリカ中東Y染色体近縁関係にある。なお北アフリカでのEグループ存在率は約75%、エチオピアユダヤ人とされる集団でのEグループ存在率は約50%とされている。また、Eグループ中でも特にE1b1bは、ヘブライ語アラビア語エジプト語などを含むアフロ・アジア語族関連するとされている。 現代ユダヤ人におけるY染色体ハプログループはDoron M. Behar博士研究では、次のような割合とされている。 スファラディ・ユダヤ人(欧州系) J(28%)、E(19%)、R(33%)、他(20%) アシュケナージ・ユダヤ人(欧州系) J(38%)、E(20%)、R(19%)、他(23%) 両者ともに、Eが20%程度高頻度であることがわかる。Rは、ヨーロッパ人との混血入ったものといわれている。Jが多いことや、コハニム(祭司系)にJが特長的であることから、Jが古代ユダヤ人の固有ハプログループではないかという議論もある。だが、サマリア古代イスラエル北王国)に今もいるレビ族祭司男系保ってきた)はEである。 イスラエル父祖ヤコブ時代にはY染色体ハプログループ単一だったと思われるが、モーセ出エジプト後のイスラエル人複数ハプログループを持つようになった出エジプトの際には「多く外国人」(出エジプト記12:38)も入り混じってきたからである。モーセは彼ら「在留異国人」を愛するよう教え、「主の前での平等」を説いたので、彼ら異国人イスラエル律法を守るならイスラエル帰化しイスラエル人になることができた。 こうして出エジプト後のイスラエル人は、複数ハプログループを持つようになった。E(あるいは分岐前のハプログループDE)は、その頃ないしそれ以前からのイスラエル人ハプログループだったろう。 実際、今もシルクロード各地にいる古代イスラエル北王10部族末裔アフガニスタンパキスタン中央アジア等いる)にはEが多く、Jはあまりみられない。またサマリヤ祭司がEであり、古代イスラエル末裔とされるチャン族にもDが多いことから、DとE(あるいは分岐前のハプログループDE)は、古代イスラエル人の重要なハプログループだったに違いない主張する者もいる。

※この「日本人とユダヤ人のY染色体」の解説は、「日ユ同祖論」の解説の一部です。
「日本人とユダヤ人のY染色体」を含む「日ユ同祖論」の記事については、「日ユ同祖論」の概要を参照ください。

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